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Dr.石川のちょっと健康相談 vol.21

テレビやラジオでおなじみの石川恭三先生(杏林大学名誉教授・医師)に日常生活に感じるちょっとした不調について解説していただきます。これを機に、自分のカラダに目をむけてみてはいかがでしょうか。

12月は忘年会などイベントが多く、ついつい食べ過ぎてしまうことも…。そこで、今月のテーマは「胸やけがする」です。

12月「胸やけがする」

胸やけを訴える人が増えています。胸やけはなぜ起きるのでしょうか。それは胃酸を多く含んだ胃内容物が食道へ逆流することにより生じるもので、しばしば下部食道の粘膜が炎症しています。このような病態を総称して「胃食道逆流(ぎゃくりゅう)症」といいます。

胃食道逆流症の発生は、食道下部にある括約(かつやく)筋(食道と胃との境にあって、胃内容物が容易には食道内へ逆流しないように出口を締め付けている筋肉)を中心とする逆流防止機構の低下、食道蠕動(ぜんどう)運動の低下、胃内容物の増加、胃排出の低下などが複雑に関係しています。

食後の、とくに食べ過ぎたり、脂肪分の多い食事をしたときに増強することが多く、また、横になったり、体を屈曲することで、症状が悪化したり、出現する頻度が増すことが多いのも特徴で、通常、胃酸の分泌を抑える薬(制酸薬)で軽減されます。

胃食道逆流症では、かすれ声、のどの異常感、耳痛、発声障害、気管支喘息、慢性の咳、誤嚥(ごえん)性肺炎などを引き起こすこともあります。

胸やけが出たときは、水や牛乳を飲めば大抵は治まりますが、頻回に認められる場合には胃食道逆流症が考えられますので、一度、かかりつけの医師の診察を受けてください。

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