Dr.石川の健康長寿ナビ vol.2
テレビやラジオでおなじみの石川恭三先生(杏林大学名誉教授・医師)に健康で長生きするためのコツを教えていただきます。
第2回目は、緑茶の効用についてです。
5月「緑茶の効用」(ポリフェノール、ビタミンC)
緑茶にはさまざまな効用があることが報告されています。なかでもがんの抑制に効果があるとする報告は注目に値します。緑茶のどの成分ががんの抑制に関わっているのかについてはまだ十分に解明されてはいませんが、今、一番注目されているのがポリフェノールの1つの「カテキン」です。
カテキンは細胞の突然変異・がん化促進・転移などのがんの発症・進展のすべての段階で抑制効果があると言われています。カテキンは遺伝子のDNAに対して、人体がもっている修復機能を活発にし、活性酸素を消失させて突然変異の発生率を下げたり、発がんを誘導する物質が細胞の“かぎ穴”に入り込む前に穴自体を封じて入り込めないようにしたりして、がん化促進作用を抑えると考えられています。さらにカテキンは、がん細胞そのものに対して毒性を発揮する作用もあるようです。
また、緑茶に含まれるカテキン以外のポリフェノールにもがん抑制効果があるようです。緑茶に含まれているビタミンCが発がん物質として知られているニトロソアミンの生成を抑制し、カフェインにも発がん抑制効果があるようです。
また、カテキンがインフルエンザウイルスを消滅させたり、病原性大腸菌O157や胃の中のピロリ菌などに対して殺菌効果があることなどが報告されています。
新茶が美味しい季節です。自然の恵みの緑茶をゆったりと味わいましょう。