Dr.石川の健康長寿ナビ vol.7
テレビやラジオでおなじみの石川恭三先生(杏林大学名誉教授・医師)に健康で長生きするためのコツを教えていただきます。
運動するのにいい季節になりました。今月は「運動は脳にも血管にもがんにも効く」です。
10月「運動は脳にも血管にもがんにも効く」
動脈の内側の壁に血流や圧力などの物理的な刺激や、活性酸素やコレステロールなどの化学的な刺激が加わって炎症が引き起こされ、この炎症が動脈硬化の大もとの原因になることが明らかになってきました。適切な運動を続けることは、血管を保護し、動脈硬化の予防に役立っているのです。
身体活動を活動的に保つことが、脳血流量を増加させ、脳活動を適正に保つのにプラスになっています。昔から体をよく動かしている人はボケないと言われていますが、どうやら本当のようです。ボケ防止のためにも、こまめに体を動かすことを心がけましょう。
こまめに体を動かしている人は、あまり体を動かさない人と比べて、大腸がんになるリスクが少ないという報告があります。体をよく動かすと大腸の動きが活発になり、便の大腸通過時間が短縮されて、便に含まれている発がん物質と大腸の粘膜の接触時間が短縮されるためと考えられています。
また、乳がんに対しても運動は予防的効果があるようです。運動によって体脂肪が減り、女性ホルモンが低下することで、がん発症リスクを減らすことできると推測されています。
さらに、運動により前立腺がんになるリスクも減少することが期待されています。この場合も、運動による男性ホルモンの低下がプラスに作用していると考えられています。
さあ、じっとしていないで、少しでも体を動かしましょう。