Dr.石川の12ヵ月健康チェック vol.25
テレビやラジオでおなじみの石川恭三先生(杏林大学名誉教授・医師)に季節ごとに生じやすい症状について解説していただきます。これを参考に、なるべく未然に防ぎたいですね。
4月のテーマは「酒と桜と脳卒中」です。
4月:「酒と桜と脳卒中」
桜の花は和みと優雅さを与えてくれる、私たち日本人にとっては特別な花ではないでしょうか。桜の花の咲く季節になりますと家でじっとしていられなくなり、近くの桜の名所へと足が向いてしまいます。
ところが目指したところへ行くと、桜の木の下のあちこちにビニールシートが敷かれ、大声を張り上げている酔客で満ちている、といった光景に遭遇してがっかりすることがよくあります。“花より団子”には愛嬌がありますが、“花よりお酒”にはときに毒があります。
春とはいえ、まだ今の季節は“花冷え”とも言われて、夜は結構気温が下がります。こんなとき、寒気にさらされての夜桜の下の宴席は中高年者、とくに心臓疾患や高血圧のある人には命を脅かすことにもなりかねません。
アルコールには利尿効果がありますので、大量のアルコールを飲むと脱水状態になり、血液が濃縮されて、固まりやすくなり、そして、血圧は上昇します。この状態は、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高くなります。
さらに、今頃のシーズンになりますと、いろいろな飲み会があり、“一気飲み”で急性アルコール中毒になり命を落とす若者も出てきます。
“ほどほどに、薄めのサケをゆっくりと、飯を忘れず、早く寝るべし”
春爛漫の今の季節を心して存分にエンジョイしましょう。