Dr.石川の12ヵ月健康チェック vol.27
テレビやラジオでおなじみの石川恭三先生(杏林大学名誉教授・医師)に季節ごとに生じやすい症状について解説していただきます。これを参考に、なるべく未然に防ぎたいですね。
6月のテーマは「頭が凝る」です。
6月:「頭が凝る」
梅雨時には、なんとなく頭が重いといったことがよくあります。とりたてて病気があるわけでもないのに、うっとうしい感じが抜けません。頭にヘルメットをかぶせられたような気がします。この症状は夕方になると強くなり、家に帰ってゆっくりと風呂にでもつかった後は、だいぶ楽になります。これは頭痛の中で最も頻度の高い、緊張型頭痛というものです。
この緊張型頭痛は“頭凝り”といわれることもあり、実際、肩も凝っていることが多いのです。動物の亀は身の危険を感じると、首をすくめて防御の態勢に入ります。これが“亀の首すくみ”といわれるもので、頭凝りになる状況はこの“亀の首すくみ”と似ています。一日中、机に向かって仕事をしている格好は、まさに“亀の首すくみ”と同じです。
しかし、ただたんに首をすくめたような姿勢をとるだけが頭凝りの原因ではありません。むしろ、精神面での“首すくみ”現象がその主因になっているのです。私たちは、振り払うことのできないストレスに取り囲まれますと、このストレスから身を守るために必死の防御姿勢をとるようになります。この内的な防御姿勢をとり続けることが頭凝りを生み出すことになるのです。
こうして生まれた頭凝りが、また、新たなストレスとなり、頭凝りをさらに増強させ、ここに悪循環が成立します。頭凝りにならないためには、仕事の合間、合間に首や肩をもみほぐす、軽いストレッチ体操をするのがいいでしょう。そして、仕事にメリハリをつけ、思い切った気分転換をはかることです。
真夏の青空が広がるのも、もう間近です。ストレスよサラバといきたいものです。