Dr.石川の12ヵ月健康チェック vol.34
テレビやラジオでおなじみの石川恭三先生(杏林大学名誉教授・医師)に季節ごとに生じやすい症状について解説していただきます。これを参考に、なるべく未然に防ぎたいですね。
1月のテーマは「今年こそ減量を」です。
1月:「今年こそ減量を」
年が明けてみると、目に入ってくるものすべてが新鮮に見えてくるから不思議です。見る者の心が新しさを求めているので、新鮮に見えるのでしょう。正月を迎えて、「今年こそは・・・」と願う気持ちは誰しも同じです。健康な人は今年も健康で、病める人は今年こそ健康を回復してほしいものです。
せっかく肥満のためのダイエットに成功しかけていた人が正月休みのうちに、すっかり元の食生活に逆戻りしてしまうケースも少なくないでしょう。いったんダイエットが中断されてしまうと、ダイエットに対する意欲が喪失して、再びこれに挑戦するまでには少しばかり時間がかかります。しかし、できるだけ早く気を取り直して、ダイエットを開始することをお勧めします。
肥満は糖尿病、狭心症、心筋梗塞、痛風、などの生活主観病や腰痛、ひざの痛みなどの原因にもなります。そのうえ、あまり格好が良くありません。でも、自分が本当に肥満なのか、もし肥満だとしたら、どのくらいの肥満なのかを知った上で減量対策を立てるほうがいいでしょう。
国際的に体重を評価する場合にはBMI(body mass index:体格指数)が使われます。これは、BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で求めます。BMI値が18.5未満がやせ、18.5~24未満が標準、25~30未満が肥満、30以上が高度肥満と判定されます。
言うまでもないことですが、減量するためには適正なカロリー摂取と適正な運動の両方が不可欠です。適正なカロリーは年齢、体格、活動状況などいろいろな条件で異なりますが、細かなことを言わずに大雑把に体格だけで言いますと、理想体重にして1キログラム当たり25~30キロカロリーとされています。これまでの調査で、BMIが22の場合が理想体重とされています。そこで自分にとっての理想体重は身長×身長×22として求めます。たとえば、身長が1.6mの人なら理想体重=1.6×1.6×22=56キログラムとなります。そして、体重1キログラム当たりの摂取カロリーを25キロカロリーとしますと、56×25=1400キロカロリー。30キロカロリーとしますと、56×30≒1700キロカロリーとなります。ぜひ、一度、理想体重と適正な摂取カロリーを計算してください。そして、市販されている本を参考にして、ダイエットの対策を立ててください。
そして、適正な運度も忘れないようにして下さい。ダイエットと運動は自転車の前輪と後輪のようなもので、どちらか一方だけでは減量は絶対に成功しません。さあ、今年こそは理想体重に向かって頑張りましょう。