健康診断の結果をみてみよう
健診結果には、自分の健康状態を知るための情報が記載されています。健診結果をもらったら、まずは自分で結果を確認して健康状態を知ることが大切です。 もしも基準値から外れている場合は、以下を参考にして、普段の生活習慣を見直してみましょう。
監修:公益社団法人 日本人間ドック・予防医療学会
BMI
BMIとは、身長と体重のバランスを表す指標で
(体重㎏)÷(身長m)÷(身長m)で算出されます。
基準値25kg/m2未満
25以上になると肥満ぎみとなります。肥満は、生活習慣病と深く関係しています。肥満ぎみのときは、適度な運動と摂取エネルギーを見直しましょう。
●摂取エネルギーを制限する
●バランスよく食べること
●早食い・大食いは厳禁
●間食を控える
●なるべく階段を使う
血圧
血圧とは、心臓が血液を送り出す際、血管に加わる圧力のことです。
- 基準値
- 〔収縮期〕130mmHg未満
〔拡張期〕85mmHg未満
高血圧の場合、動脈硬化を促進させ、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害や狭心症や心筋梗塞、腎不全などの合併症を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
血圧が高めの人は、次のことに気をつけましょう。
●塩分の取り過ぎに注意する…1日6gを目安
●禁煙を心がける
●適度に運動する
●食べ過ぎ、アルコールの飲み過ぎに注意する
空腹時中性脂肪
随時中性脂肪
中性脂肪とは、エネルギー源としてカラダに貯蔵される脂質です。血液中に増えると、動脈硬化を促進させる可能性があります。
- 基準値
- 150mg/dL未満(空腹時中性脂肪)
175mg/dL未満(随時中性脂肪)
食べ過ぎ、アルコールの飲み過ぎ、運動不足によって数値が上昇します。
HDLコレステロール
HDLコレステロールとは、善玉コレステロールと呼ばれ、悪玉コレステロールを運び出す働きがあります。
基準値40mg/dL以上
HDLコレステロールが低い人は、以下のことに気をつけましょう。
●禁煙
●運動習慣をつける
LDLコレステロール
LDLコレステロールとは、悪玉コレステロールと呼ばれ、多くなり過ぎると動脈硬化を引き起こす可能性があります。また、動脈硬化は、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす可能性があります。
基準値120mg/dL未満
Non-HDLコレステロール
Non-HDLコレステロールとは、悪玉コレステロールと呼ばれ、多くなり過ぎると動脈硬化を引き起こす可能性があります。また、動脈硬化は、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす可能性があります。
基準値150mg/dL未満
脂質が高めの人は、以下のことに気をつけましょう。
●控えた方がいい食品
・飽和脂肪酸の多い食品(脂身のついた肉、バター、洋菓子など)
・トランス脂肪酸の多い食品(マーガリン、スナック菓子など)
・コレステロールの多い食品(動物性のレバー、臓物類、卵類など)
●おすすめの食品
・多価不飽和脂肪酸の多い食品(魚、大豆など)
・食物繊維の多い食品(きのこ、海藻、野菜、玄米、雑穀、豆類など)
AST(GOT)、ALT(GPT)
AST(GOT)、ALT(GPT)とは、カラダのタンパク質を構成するアミノ酸をつくるのに必要な酵素です。とくに、肝臓に多く含まれます。
基準値31U/L未満
AST(GOT)、ALT(GPT)がともに高いときには、肝炎や肝硬変などの肝臓の障害が疑われます。
γ-GT(γ-GTP)
γ-GTとは、肝臓に含まれる酵素です。
基準値51U/L未満
この数値が高くなると、肝臓や胆道系に障害があることが疑われます。たとえば、アルコール性肝障害や脂肪肝などの可能性が考えられます。
γ-GTが基準値を超えたら、以下のことに気をつけましょう。
●禁酒が最良、可能な限り減酒
●肉、魚、乳製品、大豆製品から、良質のタンパク質をとる
●肝臓の機能を高めるビタミン、ミネラル(緑黄色野菜、海藻など)を十分にとる
●肝臓に負担をかけないために、防腐剤や着色料などの添加物を含む加工食品の摂取を控える
空腹時血糖
随時血糖(食後3.5h以上)
空腹時血糖(随時血糖)では、糖尿病の有無を調べます。
基準値100mg/dL未満
一定以上の高い血糖値が長期にわたって持続すると、糖尿病予備群あるいは糖尿病が疑われます。糖尿病が進むと、血管に障害を及ぼし、動脈硬化を助長し、腎臓や網膜、末梢神経に障害を与えたり、心筋梗塞や脳梗塞の危険因子となったりします。
HbA1c(NGSP)
HbA1cとは、ヘモグロビンとブドウ糖が結合したものです。採血前約1カ月間の血糖値の状況がわかります。
基準値5.6%未満
HbA1cは空腹時血糖と同様に値が高い時は糖尿病予備群あるいは糖尿病が疑われます。HbA1cが高めの人は、以下のことに気をつけましょう。
●肥満の場合は体重を減らす
●ウォーキングなどの身体活動を1日10分以上増加させる
●スクワットなどの筋力アップを取り入れる
●飲酒はなるべく控える
尿蛋白
尿検査では、尿中に蛋白が含まれているかを調べます。
基準値(−)
尿蛋白が陽性(+)の場合、腎臓の障害が疑われますが、発熱や疲労などによって、一時的に陽性になることもあります。
尿蛋白が陽性の場合には、次のことに気をつけましょう。
●塩分摂取を減らす
●水分補給はこまめに行う
●禁煙を心がける
●肥満を改善する
●不規則な生活を改める
貧血検査(血色素量[ヘモグロビン値])
血色素量は、貧血を見つけるための検査です。
- 基準値
- 男性 13.1g/dL以上
女性 12.1g/dL以上
赤血球には細胞に酸素を運び、炭酸ガスを持ちさる「ガス交換」の役割があり、赤血球中に含まれる血色素が主に働きます。
赤血球が減少する要因としては、腎臓機能低下により腎臓で生成される赤血球を作るホルモンの生成低下、あるいは骨髄の働きが不良であるなどが考えられます。
血色素が減少する要因としては、月経過多による赤血球の損失、食事からの鉄分の不足などが考えられ、貧血につながります。
貧血にならないためには、次のことに気をつけましょう。
●鉄分を多く含む食品をとる(レバー、赤身肉、あさり、しじみ、大豆、ほうれん草、ひじき、のりなど)
●葉酸・ビタミンB12・ビタミンCを多く含む食品をとる(緑黄色野菜、牛、豚レバーなど)
●1日3食、規則正しくたべる
血清クレアチニン検査(eGFR)
eGFRは、腎臓の働きを調べる検査です。この検査値は血清クレアチニン値、年齢および性別から計算します。
基準値60.0mL/分/1.73㎡以上
eGFRの値が低い場合は腎臓の働きが低下しています。
45mL未満はすぐに医療機関を受診して下さい。
※この表における「基準値」は、特定健診・特定保健指導における保健指導判定基準と公益社団法人 日本人間ドック・予防医療学会の判定区分のA(異常なし)の値に準じたものです。
★がついている項目は、特定保健指導のレベルを判定する際に必要となる項目です(参照:特定健診・特定保健指導とは)。