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健保ニュース 2024年9月下旬号

厚労省が5年度概算医療費を報告
松本理事 通常医療の姿に戻っている

厚生労働省は、11日に開催された中央社会保険医療協議会(小塩隆士会長)の総会に、「令和5年度の医療費の動向」を報告した。

厚労省は、5年度の概算医療費は前年度比2.9%増の47.3兆円で、いずれの診療種類別も前年度比でプラスの伸び率になっていると説明。

また、元年度から5年度の概算医療費(2.1%増)、受診延日数(0.4%減)、1日当たり医療費(2.5%増)の平均伸び率は、コロナ前の元年度以前の水準に戻りつつあるとの考えを示した。

健保連の松本真人理事は、「5年度の概算医療費は、診療報酬上の特例を含め、新型コロナウイルス感染症の影響が小さくなる一方、未就学者を中心に呼吸器系の疾患が増加したことが医療費に反映された」と指摘したうえで、「6年度の診療報酬改定で想定した通り、通常の医療の姿に戻っている」との受け止めを示した。

入院医療費において、コロナ前から平均在院日数が一貫して短縮する一方、1日当たり医療費が伸びているトレンドについては、「医療資源の投入量が少ない患者がより早期に退院するようになってきている現れであれば妥当な方向」と評価。

一方、薬剤費の上昇など医療の高度化により医療費が増加する側面もあると指摘し、医療保険制度の持続可能性に向けて、外来医療も含む医療の高度化への対応が重要な視点になるとの考えを示した。

診療側の森昌平委員(日本薬剤師会副会長)は、処方箋1枚当たり調剤医療費の伸び率は前年度比0.5%減で、技術料(前年度比0.4%減)、薬剤料(同0.6%減)とも下がっていることについて、「薬価の中間年改定が原因である」と主張。

物価・人件費の高騰を含む4大臣合意後の環境変化や、7年連続の薬価改定の影響を踏まえ、中間年改定の実施について慎重に検討する必要があるとした。

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