健康コラム

賢い患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.74

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。

【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子

いまだに面会禁止や制限続く 医師や母と意思疎通できず不満!

相 談同居していた82歳の母が転倒して動けなくなり、救急搬送されて入院しました。大腿骨(だいたいこつ)に骨折が見つかり、手術を受けました。ところがコロナ禍でいまだに入院患者への面会は一切禁止していると言われたのです。

母は日頃から私が1日でも留守にすると不安がるのです。それだけに、入院中一切会えないとなると、不安が増すのではないか、認知症になるのではないかと心配でした。そのことを看護師さんに伝えたところ、「予約制でリモート面会することができますよ」と教えてもらったのですが、何と空いているのは2週間も先だと言われてしまいました。

そこで、着替えなどの荷物を持っていった際に、母のスマートフォンを入れておいたのですが、どうやら操作の仕方を忘れてしまったようです。一度、私からの着信履歴に気付いた看護師さんがサポートしてくださり母と電話で話すことができました。しかし、その後はかけても母が出ることはありません。

私が不在のときに自宅にかかってきた医師からの電話を父が受けたのですが、どうやら骨折以外に何か病気が見つかったらしいのです。それも要領を得ない話でもどかしく感じています。医師や母と直接コミュニケーションを取ることはかなわないのでしょうか。

回 答山口育子(COML)

2020年4月に全国に新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言が発出されたときから2~3カ月は、過度な受診控えとそれによる症状悪化の相談が多く届きました。しかし、ある程度感染予防対策が講じられるようになって以降、それらの相談は減り、代わりに増えてきたのが入院患者への面会制限による不安や不満、説明不足などの相談です。

3年経って、23年5月には5類扱いにという方向性が出ているこの3月にあっても、入院患者への面会制限に関係した相談が後を絶ちません。患者さんの状況によっては制限を緩めている医療機関もありますが、まだまだ面会禁止、家族からの問い合わせ禁止という医療機関も少なくありません。せめて家族への説明は面談で丁寧に行ってほしいと求めてはどうでしょうか。

認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ

詳しくはCOMLホームページへ https://www.coml.gr.jp/

電話医療相談:TEL 03-3830-0644
〈月・水・金 10:00〜13:00、14:00〜17:00/土 10:00〜13:00〉
ただし、月曜日が祝日の場合は翌火曜日に振り替え

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