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健保ニュース 2024年10月下旬号

第50回衆議院議員選挙・公約
与党 社会保障分野の賃上げに対応
野党は現役世代の負担軽減

第50回衆議院議員総選挙(10月15日公示、10月27日投開票)に向けて、与野党の公約が出揃った。

自民党は、社会保障分野の公約で、すべての世代が安心でき、能力に応じて支える、持続可能な全世代型社会保障を構築すると表明。公定価格により運営される医療・介護・福祉分野について、地域医療・介護等の基盤を守る観点から、物価上昇に対応することで社会全体の賃上げの底上げを図る方針を示した。

国民皆保険を堅持しつつ2040年頃に向けた地域医療構想や医師偏在是正の総合対策パッケージを策定し、救急医療体制の構築など安心できる医療提供体制を確保すると明記。

予防・健康づくりを強化し健康活躍社会を創るほか、年金制度について、被用者として手厚い給付を受けられる方を増やして高齢者が働きやすい仕組みとするなど将来にわたる安心をさらに強化するとした。

デジタル分野では、マイナンバーカード機能のスマートフォン搭載、健康保険証としての利用や運転免許証・在留カードとの一体化、社会保障・税・災害の3分野以外への情報連携を拡大し、マイナンバー利活用を推進する考えを示した。

公明党は、医療・介護・障がい福祉・保育など公的に価格が決まる部門で働く方々の賃金について、物価上昇を上回る引き上げ分を確保すると明記。

また、出産費用の実質無償化など妊娠・出産・産後の支援策のさらなる強化を公約として掲げたほか、オンライン診療や電子処方箋の普及、電子カルテの標準化、マイナンバーのさらなる活用など医療DXを推進し、国民にとって便利でより質の高い医療を実現するとした。

立憲民主党は、持続可能で安心できる社会保障制度を確立し、将来不安を払拭すると表明。 医療保険制度全体の安定的な運営と格差是正のため、保険者間の負担の公平化などを図る政策を掲げた。

また、団塊の世代が後期高齢者となり、その医療費が増え、後期高齢者支援金を拠出する現役世代の負担は今後さらに厳しさを増していくことが懸念されると指摘。被用者保険からの大幅な拠出金が課題となっている高齢者医療制度は、医療保険制度の持続可能性の強化と現役世代のさらなる負担軽減を含め抜本的な改革をめざすと強調した。

他方、中間年薬価改定は廃止し、2年に1度の改定とする方針を明示。さらに、2024年12月の健康保険証の廃止を延期し、国民の不安払拭など一定の条件が整うまでは、現在の健康保険証を存続させると公約した。

日本維新の会は、「現役世代への徹底投資」を公約の2本柱とし、世代間不公平を打破する社会保障の抜本改革を公約で実現する4大改革として掲げた。

現役世代に不利な制度は徹底的にすべて見直す方針を示し、高齢者医療制度の適正化による現役世代の社会保険料負担軽減を公約とした。

全世代型社会保障の理念の下、高齢者と現役世代の「給付と負担」の公平性を確保するため、医療制度改革を進める方針を明示。高齢者の医療費窓口負担を現行の「9割引」から原則「7割引」に見直し、現役世代と同じ負担割合とすることで、現役世代の社会保険料負担の軽減を図る政策を盛り込んだ。

また、診療報酬体系の再構築、後発医薬品の使用原則化、保険適用薬品の適正化等を進め、医療費の増大を抑制するとした。

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