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健保ニュース 2024年10月下旬号

新地域医療構想検討会
外来 かかりつけ医機能強化が必要

「新たな地域医療構想等に関する検討会」(座長・遠藤久夫学習院大学長)は17日、2040年頃を見据えた外来医療に、かかりつけ医機能の強化と外来機能の明確化・連携が必要としたうえで、医療需要推計や提供体制の見込みを踏まえ、かかりつけ医機能報告などのデータを活用し、将来の医療提供体制について地域ごとに議論を行う方向性を概ね了承した。

この日の会合で厚生労働省は、①医療機関機能②外来医療─をテーマとして示した。

①は、医療機関機能の報告にかかる考え方を提案した。
 「救急医療等の急性期の医療を広く提供する機能」の報告には、絶対的な医療提供量のほか、地域の医療需要に応じた役割を含め、一定水準を満たす役割を設定する。その際、構想区域ごとにどの程度の病院数を確保するか、アクセスの観点などを踏まえた検討が必要と提起。

また、「高齢者救急の受け皿となり、地域への復帰を目指す機能」「在宅医療を提供し、地域の生活を支える機能」の報告には、地域の実情に応じて医療機関の役割が変わりうることにも留意が必要とした。

②は、かかりつけ医機能報告や外来機能報告などのデータにもとづき、夜間・休日の初期救急医療、在宅医療等の不足する地域医療や、かかりつけ医機能を担う医療機関と紹介患者への医療機関との連携について、医療需要を踏まえつつ、医師数、診療所医師の高齢化、標榜診療科など医療アクセスに関する情報を整理し、地域の外来医療の協議の場で協議を進めることを提案した。

診療所は都市部で増加する一方、人口が少ない地域では減少傾向。医師の高齢化などにより、2040年には、診療所がない市区町村数は170程度増加することが見込まれている。

健保連の河本滋史専務理事の代理として出席した松本真人理事は、①の提案に対し、「患者の医療アクセスに考慮しつつも、広域をカバーするかたちで重点化・拠点化し、症例の集約を進めるべき」と言及。そのうえで、「限りある急性期の医療資源を集約し、最大限有効活用することで、医療の効率性が高まり、患者の安全・安心も高まる」と述べるとともに、「高度で専門的な基幹病院が、一般の人から見ても分かりやすくなる」との考えを示した。

また、②の提案に賛同したうえで、外来患者数が減少するなか、臓器別・診療科別に特化した診療所が増え続ける状況は非効率と指摘し、「得意領域をもちつつ、日常的な症状に幅広く対応する、かかりつけ医機能を強化していくことが必要」と強調した。

両テーマの提案とも方向性は概ね了承された。厚労省は、▽報告対象となる「医療機関機能」への外来医療の反映▽在宅医療も含めた外来医療のあり方の検討─といった構成員からの意見・要望について、今後議論する意向を示した。

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