健保ニュース
健保ニュース 2025年3月下旬号
厚労省主催・歯科口腔保健セミナー
モデル事業 2健保の成果を発表
厚生労働省は10日に、「保険者・企業等における歯科口腔保健の推進セミナー」をオンラインで開催した。
厚労省は、令和6年度就労世代の歯科健康診査推進事業に関する実証事業を実施した。
就労世代で歯科健診の受診機会を拡大する必要性があることを課題として、①歯科の簡易スクリーニングと一般健診等との同時実施の可能性を検証する②レセプト等のデータを活用し、ターゲットを絞った歯科健診の勧奨を行う③地域職域連携を図る─といった3つの実証パターンを設定し、モデル事業を実施。
セミナーでは、JUKI健保組合が①、三菱UFJ信託銀行健保組合が②のモデル事業に参画した成果を発表した。
JUKI健保組合は、▽一般健診案内時に口腔検査キットを同封▽被保険者は、事前の参加申込みと自宅で採取した検体を一般健診会場に持参▽一般健診受診後に簡易な歯科検査を実施し、同日に結果説明・指導を実施─する取り組みを実践した。
一般健診受診者600名中、口腔検査の受検者は577名だった。アンケートの結果、事後の歯科健診を「受診した」「受診するつもり」と回答したのは、高リスク者では約70%以上、中リスク者では約63%以上にのぼった。また、「歯磨きや歯周病などの知識を得た」と回答した人が多く、行動変容につながったことがわかった。
三菱UFJ信託銀行健保組合は、前年度から引き続きモデル事業に参画した。歯科未受診かつ生活習慣病重症化リスク保有者をレセプト・特定健診等データから抽出し、対象者1万1111人に通知。簡易スクリーニング(ブラシで舌をぬぐい、検体採取・郵送)を推奨し、応募者に結果と啓発資料を送付した。
事業参加への意識を喚起するために、▽簡単(申し込みや簡易検査)▽魅力的(無料)─などのナッジ理論を活用。簡易検査応募者の割合は、12%と前年(9%)から改善した。また、被保険者のうち「過去1年間歯科受診なし」は44%で前年度の52%から改善。高リスク者ほど、受診意向が向上し、日々のセルフケアに関する行動変容もみられた。
厚労省は事業全体を総括し、①では、同時実施は単独実施に比べて参加率が大幅に高い傾向にある。②では、希望者を募るのではなく、対象者全員が参加する前提で案内して実施する場合の方が、参加率・実施率が高い─などの成果をまとめた。