健保ニュース
健保ニュース 2025年5月下旬号
公明合同会議が意見聴取
健保連の要望に理解
骨太方針に向け集約へ
公明党の「健康保険組合議員懇話会」(会長・谷合正明参院会長)は16日、国会内で厚生労働部会、社会保障制度調査会との合同会議を開き、骨太の方針と政府予算概算要求に向けて健保連と意見交換した。6月の政府の骨太の方針策定を控え、同調査会は健保連をはじめ関連団体から意見を聴取しており、近く取りまとめる考えだ。
同懇話会の谷合会長は冒頭のあいさつで、「国民皆保険制度は当たり前ではなく、綱渡りの状況だ」と危機感を示し、「しっかりと改革することが重要だ」と述べた。
健保連の佐野雅宏会長代理は資料に基づき、国民皆保険制度の危機的状況を強調した上で、「全世代型社会保障の構築に向け、国民皆保険制度の現状を直視し、将来を見据え制度の持続可能性を確保するため、改革工程に基づく不断の見直しに取り組むべき」と訴えた。
改革の方向性に、①年齢によらない負担能力に応じた国民負担への見直し②保険給付範囲の見直し③医療・介護の提供体制の総合的改革の着実な実施④現役世代の負担軽減につながる歳出改革と公費負担の見直し──を挙げた。
併せて、当面の対策として、健保組合への財政支援を要望した。現役世代の負担軽減に向けて、高齢者医療運営円滑化等補助金の維持・拡充や高額医療交付金交付事業への支援拡充に加え、子ども・子育て支援金徴収、子育て対策を含めた医療DXを活用した保健事業、マイナ保険証の活用など国の施策に貢献している健保組合への支援を求めた。
このほか、今国会に提出された法案に含まれる医師偏在対策や被用者保険の適用拡大に伴う保険料負担割合の特例措置に対する公費投入、来年の通常国会提出が見込まれる出産費用の保険適用への検討についても対応が必要だとした。
会議終了後、谷合会長は記者団に対し、「要望を受け止め、党としてしっかりと対応したい」とした上で、骨太の方針に向けて、「近く社会保障調査会で意見をまとめる」と述べた。
また、健保組合の財政状況について、「賃上げで改善しているものの、8割の組合が赤字だ。米国の関税措置などの懸念もあり、厳しい状況を共有できた」と話した。
このほか、濵地雅一厚生労働部会長や里見隆治社会保障制度調査会長から、自民、維新との3党協議の状況が報告されたと説明した。