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健保ニュース 2025年5月下旬号

立民が医療制度の重点政策
保険収載見直しで 軽症患者の医療費抑制

立憲民主党は8日、国会内で記者会見を開き、厚生労働部門と公立・公的病院改革WTがまとめた「持続可能な地域医療をつくる重点政策」を発表した。夏の参院選公約への反映を目指す。

超高齢化社会を迎え、医療ニーズとともに医療費が増大し続け、「現役世代一人ひとりの負担増はもはや限界に達しつつある」との危機感を示した。その上で、医療制度改革の方向性として、国民の健康の維持増進と医療費の適正化を示し、保険収載見直しや「かかりつけ医」の認定制・登録制の導入などを提言した。

重点政策は①現役世代の負担を軽減する②地域医療の崩壊を防ぐ③医薬品を確保する──の3つを改革の柱に位置づけ、具体的な方策を示した。

①は高額療養費の自己負担限度額を引き上げず、代わりに軽症患者の医療費の抑制を優先して見直すよう訴えた。具体的に、健康上メリットのない医療行為として風邪に対する抗菌薬による治療を挙げ、医療行為の効能効果を評価し、メリットのないものは保険収載から外すことを検討すべきとした。

高額療養費制度の見直しに関し、今秋までという短期間ではなく、1年間程度、丁寧に時間をかけて再検討することを提案。審議会に患者団体の代表を委員として参画させ、意向に沿った見直し案を決定すべきとした。

また、かかりつけ医について、医師が必要な知識・技能を有することを認定する認定制と、住民一人ひとりと結び付け、互いの認識を一致させるための登録制の導入を提唱した。

さらに、気軽に相談できるかかりつけ医がいれば、健康に不安があるときに適切なアドバイスを受けられるとともに、適切な医療機関の紹介が可能となり、頻回受診や重複処方が避けられると主張。かかりつけ医の医療行為を包括診療報酬とすることも検討すべきとした。

②のうち、医療従事者の人材確保に向けては、医療保険を使った医師偏在対策ではなく、都道府県や市町村の自主性を尊重する医師確保策を実行すべきと強調した。その上で、市町村や複数の地方自治体で構成する一部事務組合でも独自に医師確保のための基金を創設することを提案した。

また、6年度診療報酬改定で新設されたベースアップ評価料や基本料引き上げの効果を早期に検証し、看護師などのさらなる賃上げが可能となる制度設計を行うべきとした。

③では薬価の中間改定を廃止し、原則2年に一度の改定にすべきとした。

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