健保ニュース
健保ニュース 2026年3月下旬号
高額療養費制度
佐野会長代理 見直しの必要性を強調
中道・立民・公明合同厚労部会
中道改革連合と立憲民主、公明の3党は11日、合同で厚生労働部会を開き、高額療養費制度の見直しについて関連団体から意見を聞いた。健保連の佐野雅宏会長代理は、長期療養者や低所得者に配慮しつつ見直しを行う必要性を強調し、所得区分の細分化や見直しの仕組みづくりを訴えた。
政府は社会保障審議会医療保険部会や厚労省の専門委員会の議論を踏まえ、高額療養費について、今年の8月に自己負担の年間上限導入と外来特例の限度額引き上げを、来年の8月に所得区分の細分化と、新たにできる年収200万円未満の所得区分の多数回該当の限度額引き下げなど、長期療養者や低所得者に配慮した見直しを予定している。
佐野会長代理は健保組合における高額レセプトについて、高額薬剤の保険収載による給付対象疾患の変化や、件数と1件あたりの金額が大幅に増加していることを説明した上で、高額療養費制度の見直しの必要性を強調した。
具体的には、審議会などでの発言を踏まえ、「長期療養者に配慮しつつ高額療養費制度の見直しをどう考えるか、全体的な制度見直しの中で検討が必要」「負担能力に応じたきめ細かい制度設計や、年齢ではなく能力に応じた全世代の支え合いといった観点で見直しが必要」などと主張した。
さらに、昨年の通常国会で見直しの凍結が決まった際には、健保組合から「患者の負担は増えないが、現役世代の保険料負担が増えることをどう考えるのか」「野党は見直しの凍結を主張するなら、対案を出すべきではないか」といった声が寄せられたと話した。
出席議員からは、「健保組合の厳しい財政状況を訴えるべき」「制度見直しの選択肢は複数あるが、どのような順番が望ましいか」などの意見や質問があったという。
これに対し、佐野会長代理は「健保組合全体では赤字が続いていた。高齢者医療への拠出金が支出の4割以上を占めており、最も重い負担になっている」「医療保険制度の財源は、公費、保険料、自己負担の3つしかない。全て国民が負担するものなので、どこかを変えれば誰かの負担が増えることになる。(順番は)政治に決めてもらわなければならない」などと答えた。
この日の会議では、健保連に先立ち、全国がん患者団体連合会事務局長の轟浩美氏、日本難病・疾病団体協議会事務局長の大坪恵太氏、東京大大学院特任准教授の五十嵐中氏が出席し、意見陳述した。