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健保ニュース 2026年3月下旬号

厚労省 介護保険部会に提示
第10期計画策定へ「基本指針」の主要事項
2040年見据え提供体制構築

厚生労働省は9日の社会保障審議会介護保険部会(部会長・野口晴子早稲田大教授)で、市町村と都道府県の第10期介護保険事業(支援)計画(2027~29年度)に向けて、「基本指針」に盛り込む主要事項などを示した。

介護保険事業(支援)計画の策定に向け、2040年度を見据えて市町村と都道府県が中長期的な推計を実施し、共通の課題認識を持った上で、サービス提供体制のあり方を検討することを主要事項の一つに掲げた。

厚労省は同部会の議論を踏まえ、今夏に基本指針の見直し案を自治体に示し、年末に新たな基本指針を告示する予定。

基本指針は国が策定し、3年を1期とする介護保険事業(支援)計画のベースとなるもので、市町村などが介護サービス量を見込む際に参考とする標準を示す。介護保険事業計画は市町村が、介護保険事業支援計画は都道府県が策定する。

基本指針の告示を待ってから計画作成に着手すると、来年4月からの第10期計画の円滑なスタートに間に合わない。このため、市町村は今夏までにサービス給付実績などの分析を進める。国が提供する推計ツールや地域分析ツールなどを活用し、計画に盛り込む内容を検討する。夏以降、サービス見込み量の設定作業に入る。年末の予算編成過程で決まる介護報酬改定率を反映して3年を通じた第1号保険料を設定する。

厚労省はこの日の会合で、40年に向けて生産年齢人口が減少する中、医療・介護ニーズを抱える85歳以上や認知症高齢者、独居高齢者の増加が見込まれるとともに、高齢者人口の変化に伴い、サービス需要に大きな地域差が生じると指摘。

こうした方向を見据えて、介護サービス基盤を計画的に整備し、地域包括ケアシステムの深化や介護人材確保と職場環境改善に向けた生産性向上、経営改善支援を図るための具体的な施策と目標について、優先順位を検討した上で、介護保険事業(支援)計画に定めることが重要と説明した。

基本指針に盛り込む主要事項は、40年度を見据えた介護サービスの基盤づくりについて、中山間・人口減少地域、大都市部、一般市等と地域類型を念頭に置いた計画を策定することとする。地域医療構想との整合性も確保する。

中山間・人口減少地域における人材確保や生産性向上の施策、特例介護サービスの新たな類型の活用などの詳細は今後、介護給付費分科会で議論する。

地域包括ケアシステムの深化では、総合事業の多様なサービス、活動の充実に向けて、多様な主体とのつながりの支援や質向上を図るための分析、評価を推進する。

健保連の伊藤悦郎常務理事は、地域特性に応じたサービス提供体制の構築に向けて、都道府県と市町村が40年を見据えた課題を共有し、実効性をもって進めるためにも都道府県の積極的な関与とサポートに期待した。

地域包括ケアシステムの深化では、多様化する介護ニーズに対応する観点から、「市町村の総合事業のさらなる推進が不可欠」と指摘し、総合事業の重要性を基本指針に明確に位置づけるよう要望した。

また、基本指針の記載事項とする「効果的・効率的な介護給付の推進」を重視し、各保険者で取り組む適正化事業について、「事業項目や内容の見直し、効果的な事業への重点化など事業の改善が図れるよう、取り組み内容と目標を記載することが重要」と強調した。

主要3事業(ケアプラン点検、要介護認定の適正化、医療情報との突合・縦覧点検)や適正化の取り組みについて、実施状況などを同部会に報告する必要性も指摘した。

この日の部会は冒頭で、新たな部会長に野口氏を選出。菊池馨実前部会長(早稲田大教授)は2月19日付で任期満了に伴い退任した。

野口部会長は就任あいさつで、「全世代型社会保障を見据えながら、持続可能で質の高い介護保険制度を構築していくことは、日本にとって極めて重要な政策課題」との認識を示し、「制度の持続可能性と国民の安心の両立という観点から、丁寧で実りのある議論を進めることが重要と考える」と述べた。

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