健康コラム
賢い患者になろう〜電話医療相談の現場から〜 By COML vol.100
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。
【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子
医師とのコミュニケーション
相 談私(73歳・女性)は、10年ほど前から高血圧の薬を飲むようになり、通院を続けています。じつは昨年、夫が亡くなり、一人暮らしを心配した息子の誘いで、息子たち家族と同居することになりました。かなり離れた土地に引っ越すので、かかりつけの病院も変えなければなりません。
私はとても緊張するタイプで、これまでもあらかじめ考えていた質問をドクターの前に座ると忘れてしまうことがたびたびありました。また、説明された内容も、そのときは理解できた気がするのですが、帰宅してみるとあやふやな記憶しか残っていません。
とくに、薬について不安があって、半年ぐらい前に降圧剤が変わったのですが、それ以来めまいが起きるようになったのです。気になって「先生、今度の薬の副作用は…」と質問しようとしたら、「副作用の少ない薬に変えたから大丈夫ですよ」と言われ、それ以上何も聞けなくなってしまいました。一生薬を飲み続けるのかという不安もあります。
この先、ますます高齢になっていくことを考えると、転院する機会に何とか受診の仕方を改善したいと思っています。こんな私にでもできる工夫は何かないでしょうか。
コメント山口育子(COML)
診察の際は、マイナス情報を伝えられたり、専門用語や略語が飛び交ったり、緊張が高まりがちです。私は医療におけるコミュニケーションは、日常のコミュニケーションの“上級編”“応用編”だと考えています。それだけに、少し工夫が必要なのです。
まずはメモを活用しましょう。気になった症状や思いついた質問を記録するノートを作り、受診の前日に見直します。そのなかから、診察の際に質問したいこと、確認したいことをメモに箇条書きにします。できれば、余白を十分とったメモを作りましょう。診察室では「忘れやすいのでメモしてきました」と伝え、ドクターから回答があれば「忘れないように書きとめていいですか」と一言添えればメモも取りやすくなります。難しい用語はドクターに頼んで余白に書いてもらいましょう。このような小さな努力が、コミュニケーションの改善につながると思います。
NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ
詳しくはCOMLホームページへ https://www.coml.gr.jp/
電話医療相談:TEL 03-3830-0644
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