健康コラム
賢い患者になろう〜電話医療相談の現場から〜 By COML vol.111
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。
【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子
納得できない請求
相 談72歳の母は、15年ぐらい前からうつ病を患っているのですが、数カ月前から急に状態が悪化しました。いつもかかっている病院で、「しばらく入院して治療をおこないましょう」と勧められ、1カ月半前から入院しています。
少し状態が落ち着いてきたあたりから、せめて読みたい雑誌や食べたいお菓子が買えればと思い、お小遣いを渡したいと病院に伝えました。すると「当院では、入院患者さんのお小遣いはお預かりして管理しています」と言われました。そして“お小遣い管理料”として、1日200円必要と説明されたのです。
私(息子)は、母に月5,000円を渡そうと思っていました。しかし、1日200円だと、月に6,000円の管理料を支払うことになります。実際に預かってもらう費用より、管理料のほうが高いというのが、どうも納得できません。
そもそも、お小遣いを管理するために費用請求することが許されるのでしょうか。もし、それが許されるとしても、1日200円は高すぎませんか。医療に関する費用のことですから、国で決めた基準があるはずです。もし、国で決めたことに違反しているとしたら、それを正してくれる機関を知りたいのですが。
コメント山口育子(COML)
精神科病棟では、自分でお金の管理ができない患者さんのお小遣いを預かり、管理料を請求していることは一般的です。ただ、このような費用は、国で定めている診療報酬点数とは異なり、実費ですから基準がないのです。つまり、医療機関で独自に費用設定をすることができるわけです。
ただ、お小遣い管理料といっても、どこまでの管理をしているのか、医療機関や患者さんの状態によって異なることもあるようです。場合によっては買い物を代行したり、売店への支払いをおこなったりしているところもあると聞きます。なかには、患者さん自身に身寄りがなく、お金の自己管理ができない場合、通帳自体を預かって管理している医療機関もあります。ですので、1日200円がどこまでの管理なのか確認したうえで、お母さん自身がそこまでの管理が必要な状態かどうかを踏まえて、直接医療機関と話し合ってはいかがでしょう。
NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ
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ただし、月曜日が祝日の場合は翌火曜日に振り替え