健康コラム
賢い患者になろう〜電話医療相談の現場から〜 By COML vol.122
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。
【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子
転院希望の伝え方
相 談私(60歳・女性)は10年前にパーキンソン病と診断され、比較的若い年齢での発症ということで、大学病院の専門医に診てもらっています。ところが1年前、今度は肺がんが見つかり、手術を受けました。肺がんは初期だったので、手術で摘出しただけで問題はないのですが、パーキンソン病との関係で、術後、傷口が引きつって痛むのです。
パーキンソン病を診てもらっている神経内科で痛みを伝えても、「呼吸器外科でおこなった手術だから、傷口の痛みは呼吸器外科で相談してください」と言われました。そこで、呼吸器外科の外来を受診して痛みの相談をしたところ、同じ大学病院の麻酔科にある疼痛医療外来を紹介されたのです。
先日、初めて疼痛医療外来を受診したのですが、大学病院まで片道1時間半かかり、パーキンソン病で歩くことに支障があるので、受診頻度が増えたことが苦痛になってきています。とくに痛みには波があって、急に生じることがあるので、できれば自宅近くでかかりたいのです。しかし、お世話になっている大学病院内で紹介された疼痛医療外来なのに、そんなことを言い出していいものかと悩んでいるのですが……。
コメント山口育子(COML)
患者さんのわがままや勝手な事情ならともかく、通院に困難を要する病気を抱えているわけですから、遠慮することはないと思います。希望を出すことに問題はなく、要はどのように伝えるのかだと思います。まずは率直に通院にどれぐらいの時間を要し、移動に困難を抱えているかを伝え、痛みに波があるので、必要に応じてすぐに受診できる自宅近くにかかりたいと疼痛医療外来のドクターに相談を持ちかけてみてはどうでしょうか。
そのうえで、痛みをコントロールする方法について方針が定まっているのなら、それを紹介状に書いてもらうように頼んでみましょう。転院先にあてがなければ、自宅近くで痛みの専門であるペインクリニックの紹介を依頼することも可能だと思います。ペインクリニックは麻酔科医が担当しているだけに、学会などのネットワークもあるのではないかと思います。
NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ
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