健康コラム
賢い患者になろう〜電話医療相談の現場から〜 By COML vol.126
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。
【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子
医療費の無駄をなくすには?
相 談私(57歳・女性)は、難病と高血圧症、脂質異常症を併発しています。難病は大きな病院にかかっていて、半年に一度、血液検査や病状の進行を確認する検査を受けています。
一方、高血圧症と脂質異常症は近くのクリニックで診てもらっていて、月に1回程度受診して、薬を出してもらっています。クリニックでも定期的に血液検査がおこなわれるのですが、病院での検査と重複した項目をほぼ同時期に受けることがあるのです。
大病院でもクリニックでも、血液検査の結果は出してくださるのですが、やはり同じ時期だと結果もほぼ同じで、重複している項目に無駄を感じます。もちろん、大病院にもクリニックにも両方通院している事実は伝えてありますし、とくにクリニックでは難病の進行具合について検査結果を気にかけて尋ねてくださいます。
それぞれていねいに診てくださっているのに、「無駄を解消してください」と言うのも憚られ、これまでは両方から出してもらう検査結果を一人で見比べるだけでした。しかし最近、医療費の無駄をなくす動きがあると聞いて、やはりこのままではいけないのではないかと思い始めました。どうすればいいのでしょう。
コメント山口育子(COML)
難病と生活習慣病の受診する医療機関を分けていることはドクターたちも承知なわけですから、遠慮なさらず、まずは率直に抱いている疑問を伝え、相談してみてはどうでしょうか。
また、先に血液検査をおこなった結果が出ている場合は、もう一方の医療機関を受診する際に持参し、「先にこのような血液検査を受けて、結果が出ています」と提示してもいいのではないかと思います。そうすれば、重複する項目を外して、それ以外の必要な血液検査に絞ってもらうことはできるはずです。
このような場合、それぞれの医療機関で受診していることは了解していても、ドクターたちが患者さんにおこなわれている具体的な検査項目までを把握しているわけではありません。それぞれに何を受けているかを伝え、無駄をなくすような働きかけを患者自らからしていくことも、大切な行動だと思います。
NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ
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