健康コラム

賢い患者になろう〜電話医療相談の現場から〜 By COML vol.141

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。

【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子

1泊2日は、2日分のベッド料?

相 談先日、私(72歳・女性)は大腸ポリープを内視鏡で切除する手術を受けました。1泊2日の入院と言われ、入院予約の際に病室のことを尋ねられたので、「1泊の入院なので、ゆっくりできるように個室をお願いします」と申し出ました。すると、設備と費用を書いた一覧表を示され、私が入院する病棟の個室は1日25,000円だと分かり、納得のうえ、同意書を提出しました。

手術は無事終わり、退院する直前に請求書が手元に届いたのですが、差額ベッド料が2日分として5万円請求されていたのです。1泊しかしていないのに、2日分なんておかしいと思い、「この差額ベッド料の請求は間違っていませんか?」と医事課に問い合わせたところ、「間違いありません」の一点張りでした。なぜかと理由を問うと、「そういう決まりになっています」と言います。

もしその病院で決めているルールなのだとしたら、入院予約の段階で伝えるべきではありませんか? 1泊2日の入院で差額ベッド料を2日分請求されると知っていれば、25,000円の病室なんて選びませんでした。なんだか詐欺に遭ったような気分です。このようなルールが許されていいのでしょうか。

コメント山口育子(COML)

同じようなご相談がこれまでにも何度も寄せられています。実は、差額ベッド料に限らず、入院していれば日数でカウントされる入院基本料なども含め、医療機関で発生する費用は0時起算なのです。そのため、たとえば22時に入院して、翌日の10時に退院した場合は12時間しか入院していないにもかかわらず2日分と見なされます。つまり、22時から24時の2時間で1日分、0時から10時の10時間で1日分となるので、合計2日分として請求されるわけです。

通常、ホテルなどに宿泊した場合は、泊数で請求されるだけに、一般社会と異なる考え方に戸惑われる方も少なくありません。ただ、これは相談者の入院した病院独自の決まりではなく、広く医療費の請求のときに適用されている全国一律の決まりです。医療者にとっては“当たり前”の考え方なので、改めて説明することを省きがちなのかもしれません。

NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ

詳しくはCOMLホームページへ https://www.coml.gr.jp/

電話医療相談:TEL 03-3830-0644
〈月・水・金 10:00〜13:00、14:00〜17:00/土 10:00〜13:00〉
ただし、月曜日が祝日の場合は翌火曜日に振り替え

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