健康コラム
賢い患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.34
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。
【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子
かかりつけ薬局に不信感を持つ
相 談私(47歳・男性)は約15年前に職場の人間関係に悩んでうつ病になり、精神科クリニックにかかってきました。毎回薬が処方されるので、クリニックの近くにある薬局を利用していました。
あるとき、たまたまいつもの薬局に立ち寄ることができなかったため、自宅近くの薬局を利用しました。そこがとても感じが良かったので、それ以来「かかりつけ薬局」として利用するようになりました。
最初の印象通り、その薬局はとても配慮のある薬剤師が多く、どんなことでも相談できるので、もう10年以上通っています。1年前に引っ越して精神科クリニックは転院したのですが、薬局は変えたくなくてわざわざ電車に乗って通っているほどです。
ところが最近、その薬局から電話があり、「誤って薬を1錠少なくお渡ししてしまったので、郵送しますからご住所を教えてください」と言われたのです。なぜ私が引っ越したことを知っているのか不審に思い、郵送は断り、直接受け取りに行ったのですが、その辺りから信用できなくなってきました。それに最近、その薬局ではカウンターで「フルネームを名乗ってください」と言われるのです。何だか馬鹿にされているようで不愉快なのですが、薬局を変えた方がいいでしょうか。
コメント山口育子(COML)
おそらくチェックをしていて、調剤した薬が誤って1錠少ないことに気付いたために、電話連絡があったのでしょう。薬局が住所を記録して管理していない可能性がありますし、患者さんによっては送付先を自宅以外に指定されることもあるので、確認したのではないでしょうか。1錠少なかったのは薬局のミスなので、患者さんに負担がかからないように郵送すると申し出たのであって、悪気はないように思いました。
また、患者にフルネームを名乗ってもらうことは、薬局だけでなく他の医療機関でも取り入れるところが増えています。これは患者の取り違えをなくすためで、医療安全の一環としての取り組みです。薬局や医療機関には患者の理解のために「何のためか」理由を説明することが求められると思います。
NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ
詳しくはCOMLホームページへ https://www.coml.gr.jp/
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