健康コラム

賢い患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.56

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。

【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子

ワクチン接種や陰性証明など条件付きで、面会可能にしてほしい

相 談78歳の夫は、1年前に胃がんがみつかり、胃を全部摘出する手術を受けました。手術後、少しずつ食べられるようにはなったのですが、食後にめまいや動悸(どうき)、冷や汗といったダンピング症候群と呼ばれる症状に悩まされてきました。胃がないために、食べたものが急激に小腸に流れ込むことで起きる症状なのだそうです。そのため、手術後はずっと自宅療養してきました。

ところが、そこに追い打ちをかけるように半年前、誤嚥(ごえん)性肺炎を起こして入院しました。一時症状が悪化したため、人工呼吸器が装着されたのですが、途中から気管切開をして呼吸器につながれています。改善すれば自宅に戻って看病したいと考えていたのですが、人工呼吸器を付けているため、それもかなわず、現在は療養型病床に転院して入院を継続しています。

夫が入院して以来、最初の病院も療養型病床もコロナ禍で一切面会が認められていません。療養型病床に移ってからは、月1回はオンライン面会ができるのですが、何とも味気ないのです。やはり直接会って表情を確認し、手を握るなどの触れ合いをしたいと切望していますが許されません。せめて、ワクチンを2回接種したとかPCR検査陰性という証明を出せば面会可能になるようにしてほしいのですが。

回 答山口育子(COML)

新型コロナウイルスの感染拡大によって2020年4月に全国に緊急事態宣言が発出されて以来、医療現場も一変しました。特に入院患者への面会禁止に関係した相談は、この1年半最も多くなっています。直接会えないことの寂しさ、入院患者に刺激がなくなることで認知症悪化の心配、きちんとケアが受けられていないのではないかという疑心暗鬼に陥っての相談もあります。最近では、医療側からの説明が不十分という相談も増えてきました。

オンライン面会も、高齢の患者さんだと意味が理解できなかったり、うまく使いこなせなかったりしますし、やはり直接会うことで得られる情報や満足感には程遠いものがあります。これからどうしていくのか、医療・介護界全体の課題だと思っています。

認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ

詳しくはCOMLホームページへ https://www.coml.gr.jp/

電話医療相談:TEL 03-3830-0644
〈月・水・金 10:00〜13:00、14:00〜17:00/土 10:00〜13:00〉
ただし、月曜日が祝日の場合は翌火曜日に振り替え

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