健康コラム
賢い患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.7
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。
【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子
セカンドオピニオンについて
相 談私(56歳・女性)は、1年前に卵巣に異常があると分かり、さらに詳しく調べた結果、右の卵巣がんと診断されました。すでに8センチの大きさになっていたため、まずは抗がん剤治療を受けることになりました。抗がん剤治療を始めて2カ月ほど経つと、「腫瘍が小さくなって効果が出てきている」と言われました。
ところがその頃、家庭の事情で遠方に引っ越すことになり、病院も転院を余儀なくされました。これまでの治療経過を詳しく書いてもらい、紹介状を持ってある大きな病院の婦人科に転院しました。そこでも同じ抗がん剤治療を受けたのですが、徐々に抗がん剤の効果があがらなくなり、別の抗がん剤に変えても効かず、2カ月前には肺への転移が見つかってしまいました。
ドクターからは、「卵巣も肺も手術はできない状態」と言われています。そして「抗がん剤治療は副作用もあるので、継続して受けるかどうかはあなたの希望で判断してください。セカンドオピニオンを希望されるなら、紹介状も書きます」と言われました。
現在、腹水が溜まっていて、長時間座っていられない状態です。このような状態でもセカンドオピニオンは可能なのでしょうか。
コメント山口育子(COML)
治療を既に受けている状態でセカンドオピニオンを求めるとすれば、まずは具体的に何を聞きたいのかを明確にする必要があります。また、セカンドオピニオン外来では、ほとんどの場合、診察や検査はせずに、持参した紹介状と検査データをもとに意見を述べるだけ。あるいは、述べた意見を文書にまとめたサマリーと呼ばれるものを渡してくれる病院もあります。たとえば緩和ケアをしてくれる病院を探すためのセカンドオピニオンであれば、セカンドオピニオン外来よりも、緩和ケア病棟を持っている病院の、緩和ケア外来で相談した方がいいと思います。
インターネットで「がん情報サービス」にアクセスすると、がん診療連携拠点病院を探すこともできます。がん診療連携拠点病院には相談窓口が必ず設けられていますので、セカンドオピニオンではなく、相談というかたちで利用することも選択の1つだと思います。
NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ
詳しくはCOMLホームページへ https://www.coml.gr.jp/
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