健康コラム
賢い患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.75
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。
【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子
4月から処方の点数が引き上げに どういう理由なのかを知りたい!
相 談私(67歳・男性)は前立腺肥大のため、泌尿器科クリニックを定期的に受診しています。毎回2種類の薬が56日分処方されるので、だいたい2カ月に一度の頻度で通っています。
今年2月に受診したときは、領収書の「投薬」のところが75点だったのに、今回4月に受診すると77点になっていました。帰宅して領収書を見比べて気付いたので、薬の種類や量は変わっていないのに変だなと思ってクリニックに電話で問い合わせたら、「4月から12月までの特例で一般名処方加算が2点上がったのです」と言われました。「どういう意味ですか?」と尋ねたのですが、「国が時限的に決めた特例措置です」と言うだけで、全く意味が分かりません。
何だか気になって、今度は薬局の領収書と明細書も前回と見比べたところ、こちらも薬学管理料が119点から120点に。明細書を見ると、「医療情報・システム基盤整備体制充実加算1」という項目が3点から4点に上がったことによる違いだと分かりました。薬局に問い合わせると、この点数は今年4月から義務化されたオンライン資格確認導入に関する点数で「半年に1回可能な請求なので今回だけですからご安心ください」と言われました。いずれも煙に巻かれた気分なのですが、妥当な請求なのでしょうか。
回 答山口育子(COML)
医薬品には成分を示す「一般名」と製薬企業が名付ける「商品名」があります。一般名処方加算は処方箋料に加算できる点数で、2品目以上の薬を処方し、ジェネリック(後発医薬品)がある全ての薬を一般名で処方した場合に7点、1品目だけの場合は5点加算できます。ジェネリック推進のためですが、特例措置は現在医薬品の供給が不安定なため、2点加算とされています。
一方、「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」とは、オンラインによる保険の資格確認の整備のための点数で、医科・歯科、調剤で点数は異なりますが請求されることがあります。マイナンバーカードの使用を促進するため、同カードを保険証代わりに使用しない患者は少し点数が高くなっているのです。システム導入を推進するため調剤では時限的に1点高く設定されています。
認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ
詳しくはCOMLホームページへ https://www.coml.gr.jp/
電話医療相談:TEL 03-3830-0644
〈月・水・金 10:00〜13:00、14:00〜17:00/土 10:00〜13:00〉
ただし、月曜日が祝日の場合は翌火曜日に振り替え