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離れて暮らす親のケア vol.105

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

介護休業を取得して難局打開!

両親2人暮らしの場合、一方の親の具合が悪くなると〝老々介護〟となります。

T男さん(40代)の実家でも、母親(70代)が父親(80代)を在宅で介護。父親は立ち上がりや歩行に不安定さが見られ、介護保険の認定は「要介護1」です。しかし、「他人の世話にはならない」と頑固で、手すりをつける住宅改修をしただけで、その他のサービスは一切使っていませんでした。

そんな折、母親が自治体の健康診断で要再検となり、精密検査でガンが見つかりました。「母が手術することとなり、万事休すと。実は離職も検討したんですよ」とT男さんは打ち明けます。ところが、相談した上司は、「介護休業を取って体制を整えれば何とかなる。辞めるな」と力強く言いました。思い切って40日間の休業を取得。父親には状況を説明し、「僕を助けると思ってサービスを使ってくれ」と訴えたところ、デイサービスとホームヘルプサービスを使うようになりました。

幸い母親の病状は初期で、手術後は回復。母親も介護認定で「要支援2」となり、それぞれサービスを利用し、2人暮らしを継続しています。T男さんも仕事に復帰することができました。

親に支援が必要になったら、介護サービスの情報を集めると同時に、自分が取得できる介護支援策についても勤務先の人事に確認しましょう。介護休業は法律に定められており、労働者には取得する権利があります。〝離職〟の文字がちらついたら、一定期間仕事を休んで気持ちにゆとりを。きっとT男さんのように難局を打開する方法が見つかるはずです。

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