HOME > 健康コラム > 離れて暮らす親のケアバックナンバー > 離れて暮らす親のケア vol.110

健康コラム

離れて暮らす親のケア vol.110

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

「フレイル」って!?

75歳の誕生日を迎えると、全ての人は加入中の公的医療保険から、「後期高齢者医療制度」に移ることになります。

Tさん(男性40代)の母親は実家で一人暮らし。先日、75歳になりました。その少し前に、役所から「後期高齢者医療被保険者証」が届いたと電話してきたそうです。「お袋もそんな年なんですね。そしてね、〝フレイル〟って何?と聞かれたのですが、僕も知らなくて答えられませんでした」とTさんは話します。

Tさんに限ったことでなく、「聞いたことがない」という人が多いのではないでしょうか。〝フレイル〟とは、健康な状態と日常生活でサポートが必要な状態の中間地点のこと。つまり、要介護状態に至る前段階です。早くフレイル状態であることに気付き、治療や予防をすることにより自立した生活を続けることができると考えられています。

年に1回、75歳以上の人は後期高齢者健康診査を受けることができます。この健診での問診が、2020年度より「フレイル」状態になっていないかをチェックする項目になりました。「フレイル健診」とも呼ばれています。

「確かにね。父が亡くなって1年くらい、母はあまり食べなくなって、すっかり元気をなくしていた時期がありました。あの状態が〝フレイル〟だったのかも」とTさんは話します。その後、少しずつ、地域の友人との交流が復活し、今は元気だとか。

離れて暮らす親には、1日も長く、自立した生活を送ってもらいたいものです。そのためにも、〝フレイル〟状態に気付くことは大切です。年に1回の健康診査を受けるように勧めましょう。

バックナンバー

健康コラム
KENKO-column

HOME > 健康コラム > 離れて暮らす親のケアバックナンバー