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離れて暮らす親のケア vol.124

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

カメラで見守る!?

心身が衰えても、「住み慣れた自宅を離れたくない」と考える親は多いものです。しかし、離れて暮らす子としては「何かあったら?」と気に掛かります。

Mさん(50代男性、東京)の実家では母親(80代)が1人暮らし。週に3回、ホームヘルパーが来てくれますが、たいていは居間でテレビを見て過ごしているようです。Mさんは母親に対し、デイサービスに通うことを勧めますが、本人は「行きたくない」と一蹴、施設への入居も拒否。Mさんは「現状だと、もし母が倒れても、次にヘルパーが来るまで発見されないのでは」と心配します。そこで思い付いたのが、居間にカメラを設置して24時間いつでもスマホから見守る方法。母親に話しても却下されそうなので、次回帰省する際に、こっそり取り付けてこようかと考えています。

しかし、内緒で設置するのは、親子とはいえ、プライバシーの侵害になるのではないでしょうか。事前に、どんなふうに映るか、スマホの画面を見せて提案してみるのも一案です。設置する角度や場所を工夫することもできるでしょう。

ただし、受け取りようによっては「見守り」ではなく「監視」に……。元気な親の中には嫌がる方も多く、カメラ以外の方法が向くケースもあります。一方、認知症など心身が弱っている親だと上手に使えば両者の安心感につながることもあるでしょう。スピーカーとマイクの備わったタイプなら対話も可能です。徘徊(はいかい)感知機器として介護保険を使ってレンタルできる商品もあります。親の心情にも配慮しつつ、話し合いを重ねて検討したいものです。

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