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離れて暮らす親のケア vol.125

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

親の懐事情が分からない

年齢を重ね介護が必要になると、本人では金銭管理が難しくなることがあります。しかし、介護にはお金が不可欠。結果として困った事態が生じることがあります。

Tさん(50代男性、東京)の実家では父親(80代)が1人暮らしをしています。要介護3で、介護保険のサービスを利用。認知症はなく、サービス内容についても、「デイサービスに行くのを1日減らしたい」など、自分の希望は自分でケアマネジャーに伝えるほどしっかりしています。

「でも、先のことは分かりません」とTさん。将来的に、これ以上要介護度が進めば高齢者施設へ入居してもらうことを考えています。ところが、「父親がどれくらいお金を持っているのか、分からないんです。年金が入金される口座には大きなお金は入っていません。父は現金より株式をたくさん保有しているようで……」とTさんはため息をつきます。

確かに、施設の費用は物件ごとに大きく異なるので予算が分からないと検討するのが難しいでしょう。しかも、認知症などを発症し、判断力が低下すると、本人はもとより、家族が株を売却するのも困難です。施設に入居するための現金がないという事態に陥る可能性も。株式などの有価証券に限らず、預貯金も事前に代理人指定などをしておかないと、家族でも引き出すのは制限されます。

財産の話をすると、機嫌を損ねる親もいますが、いざというときに、親のお金を親のためにスムーズに使えるようにしておくことは大切です。家族間で話し合いを重ねましょう。

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