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離れて暮らす親のケア vol.133

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

祖母の介護、どこまで?

長生きの時代となり、70代になっても親の介護を担っている人がいることも珍しくありません。中には、80代でなお親が健在という人も。結構なことではありますが、老々介護による共倒れが生じ、〝孫〟にお鉢が回ってくるケースがあります。

Mさん(女性40代)の実家では、70歳の母親と96歳の祖母が2人で暮らしています。祖母は要介護3で、母親が介護を行っています。「お正月に帰省した時、母まで弱っていてびっくりしました。放っておけないので、隔週で帰省しています。祖母はわがままで、母は疲れ果てているようです。母まで倒れたら困るので、実家に戻って転職しようかと検討しています」とMさん。

Mさんに限ったことでなく、祖父母の介護をする〝孫〟に会うことがあります。家族を思ってケアすることは優しさでしょう。けれども、孫がライフスタイルを大きく変えてまで介護すれば、孫まで倒れてしまうかもしれません。健康上の共倒れだけではありません。思うような再就職先を見つけられないケースもあります。介護離職して転職した場合の年収は、男性で4割減、女性で半減という調査報告もあります。

孫は親に変わって介護の情報収集をしたり、話を聞いたり、突発的な事態が起きた際にピンポイントで助けたりするくらいでよいのではないでしょうか。頑固な祖父母も、お孫さんからお願いすれば、ヘルパーやデイサービスを入れることを承知するかもしれません。状況によっては、施設への入居も検討し、家族だけで抱え込まないようにしたいものです。

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