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離れて暮らす親のケア vol.136

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

70歳過ぎても働き続ける親が心配

離れて暮らす親に対し、1日でも長く元気で過ごしてもらいたいとの思いは多くの子の共通の願いでしょう。倒れないかとの心配から、「無理をしないで穏やかに暮らしてほしい」と思うこともあるかもしれません。

Tさん(男性40代)もそんな一人です。両親は実家で2人暮らしをしています。「両親ともに73歳です。父親はまだ働いています。健康のこともあるので、そろそろゆっくりすればいいと思うのですが」と気掛かりな様子。

確かに、ひと昔前は、リタイア後は完全な年金生活に移る人が多かったでしょう。けれども、人生100年時代といわれる現在、親世代の働く意欲、割合は増加しています。70~74歳の就業者の割合は男性41・1%、女性25・1%。75歳以上でも、男性16・1%、女性7・0%(「労働力調査」総務省・2021年)。さらに、現在収入のある仕事をしている60歳以上の約4割が「働けるうちはいつまでも働きたい」と回答しています。

収入を得ることは、経済的なメリットだけでなく、生きる張り合いにつながるケースが多いようです。「生きがいを十分感じている」と回答するのは、収入を伴う仕事をしている人の方がしていない人よりも多くなっています。

今後も、仕事を続ける高齢の親は増加していくと思われます。頑張りすぎて健康を害しては本末転倒ですが、社会とのつながりを感じつつ規則正しい生活を送ることが元気の源となる場合もあります。楽しそうに働いているなら、心身機能の低下がないか見守りつつ、その生き方を応援したいものです。

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