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離れて暮らす親のケア vol.164

介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

遠方で暮らす親の「鍵」問題

高齢の親が1人で暮らしている場合、鍵をどうするかは悩ましい問題です。

Kさん(50代)の母親(80代)は遠方の実家で1人暮らしをしています。先日、夜に電話をかけても受話器を取らず、朝一番に再度かけてみたものの、やはり出ません。心配になり、実家から車で1時間ほどのところに暮らす叔父(母の弟)に連絡したところ、様子を見に行ってくれました。「幸い、電話の音が聞こえていなかっただけでしたが、今後、どうしたものか。叔父も高齢なので毎回1時間を車で走ってもらうのは……」とKさん。

確かに、すぐ近所に鍵を預けられる人がいると安心ですが、難しいケースも多いでしょう。とはいえ、異変を察知しても、誰かが鍵を持って駆け付けるまでどうにもできず、最悪、手遅れになることも考えられます。

ホームヘルプサービスを利用している場合は、ヘルパーステーションで預かるところもあるので聞いてみましょう。ほかに、“キーボックス”を使うのも一案です。鍵を収納するための小さな箱で、暗証番号で開けることができます。玄関ドアなどに付けておき、緊急時には、近所の親しい人や、ケアマネジャー、ホームヘルパーなどに暗証番号を伝えて家に入ってもらうという人が多いようです。ただ、マンション住まいなどではボックスを付けることができないケースもあります。

そのようなときは、自治体が実施する緊急通報システムを利用するのもよいかもしれません。緊急時にボタンを押すだけで通報できるシステムで、詳細は自治体ごとに異なりますが、契約時に、合鍵を預けることが一般的です。地域包括支援センターで相談してみましょう。

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