健康コラム
離れて暮らす親のケア vol.169

介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。
ケンカばかりする両親 一方を施設に?
離れて暮らす高齢の親が2人で暮らしている場合、仲良く助け合って生活してくれていると安心です。けれども、一方の親だけに負担がかかると、関係性のバランスが崩れてくることがあります。
Sさん(50代)の両親は実家で2人暮らし。母親は足の具合が悪く要支援1。父親は一部身体のまひと軽度の認知症があり要介護2。「介護保険のサービスを利用しながら2人で生活しています。でも、最近ケンカばかりしていて心配なんです。母が怒りながら、電話をしてきます」とSさん。母親は家事と介護に疲れがたまっているのかもしれません。
Sさんは、父親を施設に入居させることを考えています。ただ「元々は仲が悪かったわけじゃない。夫婦を引き裂くようなことをしていいものか……」とSさん。
正解はありませんが、母親が参っているなら、父親の施設入居は選択肢だと思います。母親自身も要支援と認定されているのですから、精神的にも、肉体的にもきついことが想像できます。まずは、母親にどうしたいかを聞いてみましょう。実家から近い施設であれば、顔を見に行くこともできます。
あるいは、施設で宿泊する短期入所生活介護(ショートステイ)の利用も一案です。定期的にケアプランに入れられないか、ケアマネジャーに相談してみましょう。父親の主治医にも意見を聞いてみるといいでしょう。月に数日離れることで、母親の負担は軽減すると思います。
1人で抱え込まず、介護や医療の専門職とも話し合いながら、両親の生活が少しでも穏やかなものとなるようサポートしたいものです。