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離れて暮らす親のケア vol.31

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

親の年金が少ない場合

離れて暮らす親に支援や介護が必要になると、何かとお金がかかるようになります。介護保険制度を利用しても、1割は自己負担です。家計経済研究所の調査によると、在宅介護にかかる1カ月あたりの費用合計は、全体平均で6万9千円。S夫さんの両親は自営業だったので国民年金を受給しています。「年金は両親2人あわせて月々10万円弱。介護が必要になったらお金が足りません」と不安気です。しかも、S夫さんが帰省するには新幹線に乗らなければならず、往復3万5千円。S夫さんが不安になるのも当然です。

今後のことが心配なら、年金額だけでなく預貯金や保険などの加入状況についても聞いておきましょう。年金は少ないけれど、蓄えは十分あるかもしれませんし、一方、よく聞くと借り入れが残っている、というような厳しいケースも…。

介護の資金は、要介護者当人のお金で賄うのが基本です。子には子の生活があります。支援する場合は、今後の自身の暮らしをしっかりシミュレーションして、生活に支障が出ない範囲で。兄弟がいる場合は、負担の分担も必要でしょう。そのうえで、担当のケアマネジャーや役所に相談しながらより良い策を練りたいものです。介護保険制度には、所得の低い人や、1カ月の利用料が高額になった人については、負担の軽減措置が設けられています。さらに、どうしても経済的になりゆかない場合には、生活保護の申請も検討しましょう。生活保護を利用すれば、医療や介護にかかる費用は大幅に軽減されます。

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