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離れて暮らす親のケア vol.36

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

ひとり暮らしの限界は?

老親がひとりで暮らしている場合、子の心配は募ります。いったい、いつまでひとり暮らしが可能なのだろう…、と。

ひと昔前は、80代でひとり暮らしと聞くと、「おひとりで大変」と思ったものです。しかし、今や80代どころか90代で元気にひとり暮らしをしている方に出会うこともあります。可能かどうかは、年齢だけでなく、健康状態、地域の人々との交流の有無にもかかってきます。

T男さんの母親(93歳)は故郷の実家でひとり暮らし。周囲にはお友達も多く、「この家で暮らし続けたい」が母親の口癖。ところが、正月に帰省したところ、キッチンに黒焦げの鍋が3つ置かれていたそうです。ガスコンロをIHクッキングヒーターに交換することも提案しましたが、母親は「今さら、替える気はない」と言います。「火事を出したら、ご近所にも迷惑を掛けます。母にサービス付きの高齢者住宅に移ることを勧めているところです」とT男さん。

本人の意思を応援することは大切です。しかし、火事の心配が生じたり、食事を食べていない様子があったり、あるいはひとりでトイレに行くことが難しくなればそろそろ限界なのかもしれません。危険だからといって、急に火事の心配のない設備を導入しようとしても、使いこなせない可能性も。安全な設備に交換するのは、元気なうちが基本。

担当のケアマネジャーがいる場合は、「親のひとり暮らしが難しくなったら、言ってくださいね」と声掛けしておくのも一案です。

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