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離れて暮らす親のケア vol.43

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

「自分は認知症では?」と悩む親

離れて暮らす親から、「最近物忘れがひどくなった」と悩みを打ちあけられることがあるかもしれません。

そんな時、親本人は自身の認知症を危惧しているのでしょう。深刻な表情で受け止めるより、明るくサラリと「じゃあ、専門医に行ってみよう」と声掛けしてみることをお勧めします。早期に手を打つことで、さまざまな支援を受けることも可能です。

他県で1人暮らしをしているF美さんの義父(70代)も本人が自身の異変に気付きました。しっかり者の義父は、かかり付けの内科医から「ものわすれ外来」を紹介してもらったそうです。受診に付き添ってほしいと電話があり、仕事に忙しい夫に代わってF美さんが付き添いました。診断は健常者と認知症の人の中間の段階(グレーゾーン)にあたる「軽度認知障害」でした。医師から認知症に移行するとは限らないと言われて義父の表情は明るくなりました。以来定期的な受診を続け、食事は健康に配慮した宅配弁当を頼むようになりました。F美さんの夫は通院に付き添うために休みを取るようになり、F美さんも時間ができると義父の様子を見に出掛けます。義父は介護保険で「要支援1」との認定を受け、週に1回デイサービスにも通います。

自身の状態が分からないと、精神状態が不安定に陥りがちです。思い切って専門医を受診することで、F美さんの義父のように病に立ち向かう気持ちになり、自立した生活を継続する手がかりになることもあるように思います。

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