HOME > 健康コラム > 離れて暮らす親のケアバックナンバー > 離れて暮らす親のケア vol.45

健康コラム

離れて暮らす親のケア vol.45

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

生まれてやった恩!?

親の介護が始まった子世代。仕事や自身の生活があって、思うように介護に参加できないと、罪悪感から息苦しくなることもあるでしょう。

そんなとき「育ててもらった恩を忘れたのか」と言い放つ親もいるようです。これを言われるとツライ!言われたくないことを言われると、黙っていられないのが人の心情というものです。

会社員Bさん(50代)は「生まれてやった恩を忘れたのか」とピシャリと言い返したと笑います。座布団1枚差し上げたい物言いですね。

どちらかといえば、言いたいことを我慢している親が多いですが、そうとは限りません。こうした核心にふれた内容でなくとも、介護を巡り腹が立つことは色々あるでしょう。友人が無性に腹を立てていたのは、親が喜ぶと思って家族3人(子どもも成人)で旅行に行ったのに「交通費がもったいない、そんなに大勢で来てもらわなくていい」と言われたこと。私なら、即、帰ってしまうかもしれません。

親も悪気はないのでしょう。思うようにからだが動かないことに苛立っていたり、逆に子の世話になることが精神的に負担で要らぬ言葉が口をつくのではないでしょうか。そんなときに対立しても気分は萎えるだけです。回れ右するのではなく、Bさんのように「座布団1枚」くらいの絶妙な言い返しで笑い飛ばす心のゆとりを持ちましょう。罪悪感で暗い顔をしていても良いことはありません。介護をきっかけに、久しぶりに向き合う親との時間を大切に紡ぎたいものです。

バックナンバー

健康コラム
KENKO-column

HOME > 健康コラム > 離れて暮らす親のケアバックナンバー