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離れて暮らす親のケア vol.51

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

「要介護認定」の調査には付き添いを

高齢の親が病気をしたり、けがをしたりすると、その後、何らかの支援や介護が必要になることがあります。そんな時には、介護保険のサービスを利用できるように、自治体の窓口に「要介護認定」の申請をしましょう。

申請すると、調査員が聞き取り調査を行うために、親の暮らす自宅や入院中の病院を訪問します。

1人暮らしをするTさんの母親は、最近、身の回りのことをするのが難しくなってきたため、要介護認定の申請をしました。調査日に、Tさんは仕事を休んで帰省。ところが、Tさんがやってきた調査員と話していると、いつの間にか母親の姿が見えなくなりました。と、思ったとき、母親はお盆にお茶をのせてにこやかに登場。「あちゃー」と思うTさんをよそ目に、調査が始まっても質問される度に「できます」「1人暮らしですから、もちろん自分で」と答え続けたそうです。

できることを「できない」と答えるのはよくないですが、できないことを「できる」と答えるのも考えものです。認定結果が低く出てしまう可能性があります。Tさんは、母親を傷つけないよう言葉を選びながら、調査員に現状を告げたといいます。

親世代のなかには、Tさんの母親のように、我慢強かったり、プライドが高かったりする方は多く、普段以上に元気に見せようとする傾向が……。調査の日は帰省して付き添うことをお勧めします。都合がつかいないときには、先方に連絡して日程変更をお願いしましょう。

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