健康コラム
離れて暮らす親のケア vol.52
NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。
【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子
親の介護疲れ、どうサポート?
親が夫婦2人暮らしをしている場合、夫婦の一方に支援が必要になると、もう一方がその介護を担うことになりがちです。
Mさんの実家でも両親は2人暮らし。半年前、父親にガンがみつかり入院しました。手術は成功したのですが、80代後半という年齢のせいか、退院してからも伏せる時間が増えました。軽度の認知症もあり、目を離せない状況です。「月に1度は帰省しますが、父を看る母が疲れているようで、どうしたものか……」とMさんは悩んでいます。介護保険のホームヘルパーが自宅に来てくれるときだけ、母親は息をつけるといいます。
遠くに暮らしていると、気持ちはあっても、疲れをためている母親を十分サポートすることは難しいといえるでしょう。介護保険のショートステイの利用を検討してみませんか。一時的に、特別養護老人ホームなどに宿泊して介護サービスを受けるものです。
施設に宿泊することに対して、拒否感を示す親は多いですが、このままでは母親まで共倒れするかもしれません。「お母さんまで倒れると大変だから、利用してみて」と促すと、納得するケースもあります。1泊2日から試して、慣れてきたら、長くしてもいいでしょう。施設によってプログラムは違うので、担当のケアマネジャーに相談し、実際に見学してみましょう。父親がショートステイを利用している間、母親は時間を自由に使えるので、体力的な疲労の軽減はもちろん、ストレス解消にも効果があると思います。