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離れて暮らす親のケア vol.53

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

「暫定ケアプラン」で、即サービス

介護保険のサービスを利用するためには、まず申請をして、支援や介護が必要であるとの認定を受ける必要があります。けれども、結果が出るまでには、通常30日ほどかかります。その間、サービスを利用したい場合もあるでしょう。

1人暮らしをしているTさんの父親は、春先に足を骨折。退院後は1人で入浴することなどが難しくなることが予想されたので、入院中に介護保険の申請をしました。しかし、認定結果が出る前に、退院の日が……。病院の相談室で相談したところ、病院併設の居宅介護支援事業所を紹介されました。そこには、介護保険のケアプランを作成・管理するケアマネジャーが所属しています。

早速、出向いたところ、「要介護」認定が出る見込みなので「暫定ケアプラン」を作成してくれることに。退院後、即サービスを利用できることになりました。もしも、想定よりも介護度が低くなったときには、介護サービスに要する費用が自己負担になる部分が生じる場合もあるのですが……。その後、出てきた正式な認定結果は、見込みどおり「要介護2」でした。「サービスを『暫定』で使えたおかげで、私も、仕事を休まなくてすみました」とTさんはにっこり。

Tさんの父親が入院した病院には、たまたま併設の居宅介護支援事業所がありましたが、どこの事業所でも相談に応じてくれるはずです。適当な事業所が見つからない場合は、親の暮らす地域の地域包括支援センターに相談するといいでしょう。

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