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離れて暮らす親のケア vol.60

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

認知症の親、どう支える?

遠くで暮らす親が認知症になった場合、どのように支えていこうかと、子どもは頭を抱えがちです。「同居しなければ」と考えるケースが多いようですが、具体的に検討するほど、「うまくいくのだろうか」と不安は増大します。

Gさんの母親は、Gさん宅から片道4時間ほどの実家で一人暮らしをしています。同じことを言ってたびたび電話をかけてくるなど、「あれっ」と思うことが続き、母親のかかりつけの内科医に相談。精神科医を紹介され、受診に同行したところ、認知症と診断されました。その後、母親は投薬治療を受けつつ、介護保険のデイサービスとホームヘルプサービスを利用。「今は落ち着いていますが、今後のことで悩んでいます。本当は、僕の暮らす東京に連れてきたいのですが、大幅な環境の変化で認知症が進まないか……。妻との関係も心配です」とGさんは話します。

担当のケアマネジャーに相談したところ、現在、母親が暮らす地元の「グループホーム」への入居を提案されました。認知症の高齢者が少人数で共同生活を送り、日常生活を通した機能訓練によって、症状の改善を目指す介護保険のサービスの1つです。「住み慣れた土地での暮らしを継続できるので、母にとってはいい選択なのかもしれない」とGさん。

正解のない難しい問題です。可能であれば親本人の希望を聞きつつ、配偶者や兄弟姉妹、ケアマネジャーや医師ともよく相談しましょう。選択肢ごとのメリット・デメリットを考え、ベストはなくても、ベターな方法を選びたいものです。

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