HOME > 健康コラム > 離れて暮らす親のケアバックナンバー > 離れて暮らす親のケア vol.86

健康コラム

離れて暮らす親のケア vol.86

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

施設見学の予行演習

親の要介護度が高くなってくると施設介護を検討するケースが増えます。しかし、検討するにも、これまで高齢者施設に足を踏み入れた経験がない人もいるでしょう。しかも、親元が遠く離れていると、見学に行こうと思っても時間的にゆとりがなく、後回しになりがちです。

Yさん(50代)は都内在住。父親は九州でひとり暮らしをしています。帰省したときには、買い物や掃除、病院の付き添いをするだけで精一杯です。「時間がないうえ経験もなく、施設見学はハードルが高かった」とYさんは話します。

そこで、Yさんは、自宅近所の高齢者施設を見学してみることにしました。もし、父親を東京に呼び寄せて入居してもらえるなら……と、想定して。

「地元でなら時間を作れます。難しく考えず近場の3軒に行ってみました。次第に見学の勝手が分かり、3軒目になると、色々質問もできました。比較するうちに、『こういう施設が父には向きそう』などといったことも少しずつ分かってきます」。確かに、実際に足を運ぶと、入居者や職員の様子など、パンフレットだけでは見えてこない情報に触れることができます。

Yさんは、次回、帰省する際に、実家近所の施設見学を予定しています。「高齢者施設がどのようなところか分かってきたので、父を連れて行っても、緊張せず冷静に説明を聞けそうです」とにっこり。

施設見学に行ったことがない人は、Yさんのようにまずは予行演習で自分の近場の施設を見学してみてはいかがでしょう。

バックナンバー

健康コラム
KENKO-column

HOME > 健康コラム > 離れて暮らす親のケアバックナンバー