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ほっとひと息、こころにビタミン vol.43

精神医療の現場で注目されている「認知行動療法」の日本における第一人者の大野裕先生が「こころ」の健康についてわかりやすく解説します。

【コラム執筆】
日本認知療法・認知行動療法学会理事長
ストレスマネジメントネットワーク(株)代表
精神科医 大野 裕

コロナ禍でも上手に気晴らしを

猛暑を何とか乗り切って、爽やかな秋になりました。いつもなら「スポーツの秋」「食欲の秋」と楽しい計画を立てたいところです。しかし、コロナ禍では、親しい人たちと楽しく話しながら食事をすることも、他の人と集まってスポーツをすることも思うようにできず、閉塞感が強くなっている人も多いのではないでしょうか。

新型コロナの変異株は、これまで以上に感染力が強いと言われているので、自宅に閉じこもりがちになっている人も少なくないでしょう。だからといって家に閉じこもってばかりの生活を送っているとこころの元気がなくなってくるので、注意しなくてはなりません。毎日の生活で楽しい気持ちになったりやりがいを感じたりする機会が減ってくると気分が塞ぎ込みがちになってくることが分かっています。

外出を控えるにしても、家の中で気に入った本を読んだり好きな音楽を聴いたり、筋トレやストレッチなど好きなことをして過ごすようにしてください。そうはいっても、家の中にばかりいたのでは気分は滅入りがちになります。特に、活動的な人ほどそのようになりやすいものです。それに、太陽の光を浴びないと、誰でも生活のリズムが乱れやすくなってきます。

そのようなときには、外に出て好きなことをするのもひとつの方法です。一人でも、家族や気の合う仲間と一緒でも良いでしょう。もちろん、十分に感染対策をすることは必要です。その上で、屋外で好きなことをしていると、自然に気持ちが晴れてきます。ウィズ・コロナの時代、上手な気分転換が必要とされています。

大野 裕(ゆたか)

ストレスマネジメントネットワーク(株)代表。精神医療の現場で注目されている「認知行動療法」の日本における第一人者で、日本認知療法・認知行動療法学会理事長。著書に『マンガでわかる心の不安・モヤモヤを解消する方法』(池田書店)など。

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