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健康コラム

ほっとひと息、こころにビタミン vol.95

精神医療の現場で注目されている「認知行動療法」の日本における第一人者の大野裕先生が「こころ」の健康についてわかりやすく解説します。

【コラム執筆】
日本認知療法・認知行動療法学会理事長
ストレスマネジメントネットワーク(株)代表
精神科医 大野 裕

自分のわがままを上手に生かす

人間はわがままです。夏の猛暑が続くと、早く夏が終わってほしいと考えます。しかし、冬になって寒い日が続くと、外に出るのが億劫(おっくう)になってしまいます。仕事や用事で外に出るのは仕方ないとしても、できるだけ屋内で暖かくして過ごしたいと考えます。

その一方で、何もしないでゴロゴロしていると、怠けていると考えて、自分を責めるようになります。こんなに自分を責めてばかりいるとこころの健康に良くないと考え、また自分を責めます。

こうしたわがままな私たちが、こころも体も健康に生きていくことなど、できるのでしょうか。

健康に生きていくためには、わがままな自分をありのままに受け入れることだと、私は考えています。好きな仕事や趣味があれば、それに没頭するといいでしょう。好きなことや楽しいことをしていると気持ちが元気になってきます。そのために体を使う必要があれば、自然に動くことができます。その状態を続けることができれば、こころも体も元気に毎日を過ごすことができます。

でも、そうした生活を送っていると、好きなことに熱中しすぎて、こころや体のバランスが崩れるのではないかと気になるかもしれません。しかし、私たちのこころや体は正直です。バランスが崩れてくれば、こころや体がつらくなります。それは行動を変える必要があるというメッセージです。

そのときには、わがままになって、いくらかでも楽になるような生活を送るようにするといいでしょう。このように、自分のわがままを上手に生かすことが、心身ともに健康に生きるコツだと、私は考えています。

大野 裕(ゆたか)

ストレスマネジメントネットワーク(株)代表。精神医療の現場で注目されている「認知行動療法」の日本における第一人者で、日本認知療法・認知行動療法学会理事長。著書に『マンガでわかる!うつの人が見ている世界』(池田書店)など。

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