健保ニュース
健保ニュース 2026年4月中旬号
地域フォーミュラリ全国展開へ
検討の場 各県で8年度中設置
厚労省通知 既存会議体の活用も可能
厚生労働省は3月30日、地域フォーミュラリの策定に向け、令和8年度中に各都道府県で「検討する場」を設けるよう、地方厚生(支)局や都道府県の関係部署宛てに通知を発出した。参加者の構成や検討内容を含めて「検討する場」の考え方を整理している。検討の場は、必ずしも新たに会議体を設置する必要はなく、後発医薬品安心使用促進協議会や保険者協議会など、既存の会議体の活用も可能とした。
参加者の構成は、都道府県(医務、薬務、国民健康保険、医療費適正化担当など)、都道府県医師会・薬剤師会を基本としつつ、保険者、市町村、地域の医療関係者、学識経験者なども含まれることが望ましいとした。
地域フォーミュラリは、有効性や安全性、経済性なども含めて最適と判断された地域の推奨薬リストとその使用方針を指す。
政府の「骨太の方針2025」(7年6月閣議決定)では地域フォーミュラリを全国展開する方針が示され、同年12月の自民党と日本維新の会の政調会長間合意では、8年度中に各都道府県で策定する場を設けるとした。
今回の通知は、こうした政府・与党の決定を踏まえたもので、地域フォーミュラリの全国展開への足がかりとする。
通知は、検討の場における議論の仕方について、地域フォーミュラリは地域の医師、薬剤師などの合意の下で進められるものとし、まずは都道府県内の医療提供と薬剤利用の実態、地域フォーミュラリの意義・効果を共有した上で、策定の要否、策定可能な候補地の検討や合意形成をすることが重要と指摘した。
こうした観点から、検討内容については、①都道府県の薬剤費、都道府県・地区別の後発品利用率など、都道府県内の医療状況の共有②地域フォーミュラリの意義・効果や、他の地域で策定された地域フォーミュラリなどの紹介③地域フォーミュラリ策定要否の検討、策定可能な候補地の探索──の3点に整理した。
その上で、地域フォーミュラリの策定支援では、③の候補地の市町村と医療関係者との調整・合意後に、希望する地域で地域フォーミュラリを策定する場合、当該候補地の医師会、歯科医師会、薬剤師会や中核病院の専門医など医療関係者、市町村、保険者、学識者などを構成員とする「地域フォーミュラリ検討準備会」を立ち上げることが考えられるとした。
同準備会での合意に基づき、地域内の地域フォーミュラリの対象医薬品を選定、地域フォーミュラリを策定・運営することを想定し、その際、都道府県に対し、必要に応じて策定・運営補助や財政支援などを行うよう要請した。
地域フォーミュラリの普及啓発活動も求めた。「地域フォーミュラリの効果を十分発揮させるためには、地域の医療従事者や地域住民の理解・協力が不可欠」とし、策定の前から住民・医療従事者向けの周知広報、説明会、セミナーを開催することが重要とした。
厚労省は、都道府県に対し、年2回程度(8年7月末時点、9年2月末時点)の地域フォーミュラリの取り組み状況を調査する予定で、その結果を社会保障審議会医療保険部会などの資料に掲載する。
併せて、8年度中に各都道府県で検討する場が設けられ、地域フォーミュラリが全国的に検討されるよう、厚労省から情報提供や技術的・財政的支援を行う予定とした。
通知では、地域フォーミュラリの策定・運用のメリットを記載している。
メリットは、▽地域医療の質向上(エビデンスに基づく推奨薬の共有による治療方針の均一化など)▽薬剤供給の安定(薬効群ごとの推奨薬の集約化による在庫最適化など)▽薬剤費適正化(推奨薬、特に後発品の使用割合向上を通じ、患者自己負担や薬剤費の適正化など)──を挙げた。