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健保ニュース 2026年4月中旬号

個人インセンティブ指針を改正
ヘルスリテラシーの重要性を強調

厚生労働省は3月27日、保険者が予防・健康づくりのインセンティブを加入者に提供するためのガイドライン(「個人の予防・健康づくりに向けたインセンティブを提供する取組に係るガイドライン」)を一部改正し、保険者団体などにメール案内した。改正では、本人が健康情報を入手し、理解・評価して自らの行動に活用する「ヘルスリテラシー」の重要性を強調し、ヘルスリテラシーが向上することを最終目標に置いた。

加入者などにポイントを付与するなどのインセンティブの提供は、本人の健康づくりへの「きっかけづくり」と、それが習慣となるまでの「継続支援」のために実施するものと説明。

これにより健康意識が芽生え、最終的にヘルスリテラシーが向上することで、インセンティブがなくても、自発的に健康づくりに継続して取り組むことを目指すとしている。

個人へのインセンティブ付与は、平成28年4月施行の国保法等改正法で保険者の努力義務となった。ガイドラインは同年5月に策定され、今回初めての改正となる。

ガイドラインの項目の一つ、「個人への分かりやすい情報提供」では、行動変容を促す観点から段階に分けて整理しており、新たに第4段階を設定した。

第1段階では特定健診などの結果から加入者の健康状態をわかりやすく伝え、第2段階で検査値から疾病リスクを伝え、第3段階で生活習慣改善に向けた行動を伝える。

これまでの流れは従前と変わらないが、新設の第4段階では「加入者の行動変容を継続支援するためのフィードバックを実施する」と追記した。

具体的な取り組みとして、「行動実践後の変化(歩数、体重、血圧等)を見える化し、本人に達成感を与えつつ、効果的にインセンティブを提供し、モチベーションを維持することが重要」と指摘した。

この際に提供するインセンティブは、賞賛や表彰などの非金銭的インセンティブの活用も効果的とした。

インセンティブにつながる報奨のあり方も、これまでの保険者の取り組みや社会経済状況の変遷などを踏まえ、内容を豊富にしている。

健康無関心層への働きかけでは、物品や換金性のある報奨に加え、賞賛や励ましなど社会的な報奨もモチベーション向上の観点から重視した。物品の中でも体重計、歩数計、健康食品など健康づくりに関する報奨も勧めている。

換金性のあるポイントの使い道は、商品券、電子マネーなどのほか、地域商品券、地域への旅行券、施設利用券、地域活動を行う団体や学校への寄付など地域貢献に資する報奨など多様な方策を例示した。

一方、個人の保険料率・額を変更することは、公的医療保険制度の趣旨を踏まえると、困難であることを引き続き明記している。

今回の改正は、あらかじめ事業評価の方法を定めて事業を設計することの重要性を強調し、事業評価にあたっての指標例を新たに提示した。

指標例は、アウトカム指標として▽社会保障費(医療費、介護給付費、要介護認定者数)▽疾病予防、重症化予防(生活習慣病などの罹患率)▽心身機能の向上、介護予防(心身機能、筋力、要介護度、フレイルの状況など)▽生活の質の向上(就労の場での従業員の満足度など)──を列挙。

アウトプット指標は、▽健康状態(体重、腹囲、血圧、特定保健指導の終了状況など)▽事業への参加状況(プログラムへの参加者数、身体活動量、生活習慣、特定健診・保健指導実施率など)▽ヘルスリテラシーの状況(健診結果、保険制度、保健事業の理解度など)──を例示した。

実際に指標を設定する際は、保険者の負担軽減の観点から、あらゆるデータを取るのは望ましくなく、目指す成果と目標を明確にする必要性を指摘している。

併せて、各保険者が事業の改善に生かせるよう、「事業計画・事業評価のための標準的なテンプレート」をガイドラインに添付し、各保険者や加入者の特徴に合わせて修正しながら活用することを望んでいる。

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