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健保ニュース 2026年6月上旬号

健保組合の先駆的な役割期待
自民議連が骨太方針、概算要求へ要望
現役並み所得 50%公費導入 高齢者医療制度改革など柱

自民党の「国民皆保険を守る国会議員連盟」(会長・鈴木俊一幹事長)は5月26日、国会内で第10回総会を開き、健保連へのヒアリングを踏まえた「骨太方針2026および令和9年度予算概算要求に対する要望」を了承した。健保組合について「財政的には高齢者医療への拠出金の負担が重く、7割を超える組合が赤字となる厳しい状況」と指摘。「今後も健保組合が保険者としての先駆的な役割を果たしていくため」として、①高齢者医療制度改革等の実現②保険給付の適正化、医療提供体制の改革と医療DXの推進・強化③「攻めの予防医療」に貢献する保健事業の充実・拡充──の3点を求めた。近く上野厚生労働相と片山財務相に提出する。

近く政府に提出

鈴木会長は冒頭のあいさつで、高齢化や医療の高度化による医療費の増加に伴い、現役世代の負担が増え続けると「国民皆保険を支える組合健保も存続が危うくなるという危機感を持っている」との現状認識を示し、「これからも我々にとって重要な組合健保を守り抜く。そういう立場で、この議連をさらに進めていきたい」と述べた。

この日は国会議員53人と代理出席91人の計144人が出席した。

要望書の①では、医療費の自己負担が3割となる75歳以上の現役並み所得者の給付費には公費負担がないため、現行の仕組みのままで現役並み所得者の対象を拡大すると、かえって現役世代の負担が重くなる「いびつな構造」になっていると指摘した上で、現役並み所得者の給付費に50%の公費負担を導入するよう求めた。

また、応能負担を強化する観点から、「高齢者の自己負担の見直し」と「年齢区分の見直し」も要望した。

②は「医療保険制度を維持するためには医療費の伸びを抑制することが喫緊の課題だ」とし、セルフメディケーションや費用対効果・経済性を考慮した医療・医薬品の推進などを求めた。さらに、かかりつけ医制度の構築やオンライン診療など医療DXの推進により、安全安心で効果的・効率的な医療体制を実現するよう訴えた。

③はデータを活用したり、高齢期の健康維持・増進につなげたりする保健事業に取り組む健保組合への財政支援を求めた。

健保連本部役員ほか
都道府県連合会なども参加

この日の総会では、要望書の取りまとめに先立ち、健保連へのヒアリングを行った。健保連本部の役員のほか、都道府県連合会や常任理事組合などからも関係者が参加。健保連の佐野雅宏顧問と米川孝副会長が、政府の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」や来年度予算への重点要望、健保組合の財政状況などを説明した。

重点要望は(1)現役世代の負担軽減に向けた、高齢者医療制度改革などの実現(2)医療費の伸びを抑制するための施策の推進(3)健保組合の価値向上に向けた、「攻めの予防医療」に貢献する保健事業の充実・拡充への財政支援──の3本柱で、議連の要望書は健保連の主張が全面的に反映される形となった。

終了後に記者団の取材に応じた議連事務局長の田畑裕明衆院議員は、「現役世代の社会保険料の負担軽減は、高市政権にとっても大きな命題だ。負担軽減につながるように、知恵を絞っていきたい」と語った。また、「攻めの予防医療は治療の手前の話であり、健保組合のまさに本丸の事業だ」と述べ、先駆的な取り組みの横展開を後押しする意向も示した。〈議連が取りまとめた要望書は次の通り〉

骨太方針2026および
令和9年度予算概算要求に対する要望
国民皆保険を守る国会議員連盟

現役世代の人口減少と高齢化に伴い高齢者医療費の増加が重なる「2025年問題」は終わっていない。このままでは医療保険財政の一層の悪化は避けられず、すべての国民が必要な医療を受けられる国民皆保険が危機的状況に陥ることになる。

医療費の財源は無限ではないとの認識のもと、支え手の納得感を高めるためには、「保険給付の適正化」と「現役世代の負担軽減」は不可欠であり、「負担能力に応じた負担」等の改革をあわせて実現し、国民皆保険を全世代で支え、持続可能な制度として構築することが求められる。

健康保険組合は、加入者・事業主との密接な関係を生かして加入者の健康を守り、医療給付を行うだけでなく、高齢者の医療も支えるなど国民皆保険の維持・発展に貢献してきたが、財政的には高齢者医療への拠出金の負担が重く、7割を超える組合が赤字となる厳しい状況となっており、今後も健康保険組合が保険者としての先駆的な役割を果たしていくため、政府に対して以下の3点を要望する。


1.高齢者医療制度改革等の実現

後期高齢者医療制度の給付費のうち、現役並み所得者の給付費には公費が投入されておらず、現行の仕組みのまま現役並み所得者の範囲を拡大すると、現役世代の負担増となる〝いびつな構造〟となっている。過重な現役世代の負担を軽減するため、後期高齢者の現役並み所得者の給付費に50%の公費負担を導入すること。また、応能負担等の観点から、高齢者の自己負担の見直し、年齢区分の見直しを行うこと。


2.保険給付の適正化、医療提供体制の改革と医療DXの推進・強化

高齢化の進展、高額薬剤の保険収載等により医療費は年々増大し、医療保険財政を圧迫している。将来にわたり医療保険制度を維持するためには医療費の伸びを抑制することが喫緊の課題であり、セルフメディケーションの推進や費用対効果・経済性も考慮した医療・医薬品の推進などを図ること。また、医療機能の分化・連携・集約化が不可欠となるなか、かかりつけ医制度の構築やオンライン診療など医療DXの推進によって、加入者にとって安全・安心で効果的・効率的な医療体制を実現すること。


3.「攻めの予防医療」に貢献する保健事業の充実・拡充

データを活用した加入者の健康状態に応じた適切な保健事業を提供する健康保険組合や高齢期の健康維持・増進、生活の質の向上につながる保健事業に取り組む健康保険組合への必要な財政支援を行うこと。

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