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健保ニュース

健保ニュース 2026年9月上旬号

多様な人材の医療参入へ
厚労省検討会 働きながら学べる環境を議論

厚生労働省の「医療関係職種の安定的な養成・確保に関する検討会」(座長・國土典宏国立健康危機管理研究機構理事長)は8月24日、多様な人材が医療関係職種に参入しやすくするための養成課程のあり方などを議論した。社会人が働きながら学べるよう、夜間や休日、オンデマンド講習などの活用を求める意見が相次いだ。

医療関係職種の養成は現状、修業年限3年以上を基本としつつ、一定の業務経験などを条件に短縮された過程がある。また、過去の学修内容が養成校での履修内容と同等と認められると、養成校でその科目の履修が免除されたり、単位が認定されたりする仕組みがある。

厚労省はこの日の会合に、全国の看護師や理学療法士など医療関係職種の学校や養成所1920校を対象に実施した「医療関係職種へのキャリアチェンジ推進に係る調査研究事業」の結果(速報)を報告した。1134校(60.3%)の回答を集計した。

履修免除や単位認定を実施している学校は70.9%に上るが、認定単位数は学生1人あたり3.3にとどまった。

履修免除、単位認定の導入理由(複数回答)は「社会人の入学促進」が45.7%で最も高い。また、「既資格者(他の医療関係職種の有資格者)の入学促進」は26.8%、「社会人・既資格者が働きながら学びやすい環境の整備」は18.9%だった。

一方、導入による入学者数の変化を尋ねたところ、「変化はなかった」が86.1%と大半を占め、「大きく増加した」は0.1%、「やや増加した」は3.2%と低かった。履修免除や単位認定の実績がある学校でも、大きく増加が0.0%、やや増加が9.5%にとどまり、厚労省は「制度導入による社会人・既資格者の入学者数への影響は限定的だった」と総括した。

こうした結果から、厚労省は、「社会人などが学びやすい養成環境の整備の必要性を正面から捉え、養成課程のあり方について検討を深めてはどうか」と提案した。キャリアチェンジが可能な環境を整備する観点も重要だとした。構成員から異論は出なかった。

中野夕香里構成員(日本看護協会専務理事)は、同協会が実施した調査で、給与(の低さ)を理由に看護師の養成課程への進学を断念した人が一定数いたと説明し、「意欲と能力のある人材を医療に呼び込むには、処遇改善が不可欠だ」と強調した。

また、「呼び込むことを重視するあまり、養成の質を落とすことがあってはならない」とクギを刺した。

神野正博構成員(全日本病院協会会長)は、働きながら学べるよう、ICTや夜間、オンデマンド講習、遠隔授業など「新たな手法を使って幅広く人材を集めるという考え方が必要だ」と主張した。

平山春樹構成員(連合総合政策推進局生活福祉局局長)は、柔軟な養成課程に加え、学費や生活面の負担も課題になるとして、「経済的な支援も併せて検討する必要がある」と指摘した。

このほか、▽医療関係職種のキャリアチェンジのニーズの把握▽医療関係職種の離職者や潜在人材へのアプローチ▽社会人や既資格者を対象にしたコースの新設──などを求める意見があった。

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