健保ニュース
健保ニュース 2026年9月下旬号
短時間労働者の保険料調整
10月1日施行 事務取り扱いを通知
厚生労働省は9日、保険局保険課長と年金局事業管理課長の連名で、「保険料調整制度に係る事務の取り扱いについて」を健保組合などに通知した。10月1日施行の同制度の対象となる事業所や被保険者、具体的な事務の取り扱いなどを整理し、内容に即した運用を求めている。同日にQ&Aも発出した。
同制度は、健康保険と厚生年金保険の適用拡大により、新たに資格を取得した短時間労働者について、保険料負担による手取り収入の減少を抑えるために負担割合を軽減させ、その分事業主の負担割合を増やすことを可能にするもの。負担割合は国が定める。事業主が多く負担した保険料(保険料調整額)は、事業主に還付するが、実務上は将来の保険料に充当される。
昨年成立した改正年金法で、短時間労働者に係る被用者保険の適用について、賃金要件の撤廃と企業規模要件の段階的な撤廃が決まっていた。
同制度の対象になる事業所は、①令和8年10月1日以後に任意特定適用事業所(任意で短時間労働者を適用対象にした事業所)②17年10月1日の企業規模要件の撤廃により、新たに短時間労働者が適用対象となる、企業規模10人以下の適用事業所③9年10月1日以後に企業規模50人以下の特定適用事業所(企業規模要件を満たし、短時間労働者が適用対象になる事業所)となった適用事業所──など。基準日は、①任意適用事業所の申し出が受理された日②17年10月1日③特定適用事業所になった日──などとなる。
事業主が基準日から2年以内に同制度の開始を健保組合などに申し出ると利用できる。
一方、10月1日時点で既に短時間労働者が適用対象である事業所や、国または自治体の適用事業所などは同制度の対象外となる。
適用対象となるのは、▽1週間の所定労働時間または1か月の所定労働日数が通常の労働者の4分の3未満▽1週間の所定労働時間が20時間以上▽学生でないこと▽標準報酬月額が12万6000円以下──の全てに該当する被保険者。
産休や育休で保険料免除となっている被保険者や、複数の適用事業所に使用されている被保険者は対象外となる。
対象期間は、保険料調整の開始申し出から3年間で、事業所ごとに通算する。
調整対象となった被保険者の保険料軽減割合は、▽標準報酬月額8万8000円までが25%▽同9万8000円が20%▽同10万4000円が14%▽同11万円が9%▽同11万8000円が5%▽同12万6000円が2%──で、3年目は半分になる。
調整対象の被保険者の保険料額は、標準報酬月額×保険料率×(従来の負担割合-保険料軽減割合)で計算する。標準報酬月額8万8000円、保険料率10%、負担割合が労使折半の場合は、8万8000円×10/100×(50/100-25/100)=2200円となる。
調整対象被保険者がおらず、保険料調整額が0円になると、制度の利用が停止する。
保険料調整の期間が3年を経過すると、制度の利用が終了する。