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健康コラム

ほっとひと息、こころにビタミン vol.104

精神医療の現場で注目されている「認知行動療法」の日本における第一人者の大野裕先生が「こころ」の健康についてわかりやすく解説します。

【コラム執筆】
日本認知療法・認知行動療法学会理事長
ストレスマネジメントネットワーク(株)代表
精神科医 大野 裕

緊張を感じたら相手の話によく耳を傾けて

人と話すのが苦手な人は少なくありません。初めて会う人や、友人でも久しぶりに会う人と話そうとすると緊張する人は、多いのではないでしょうか。職場の同僚や学校の同級生など、よく知っている人と話すときに緊張する人もいます。

人間関係で緊張するのは珍しいことではありません。私たちは、自分が拒否される可能性がある状況に敏感に反応するからです。私たちははるか太古の昔から、集団のなかで生活してきました。太古の昔には、その集団に受け入れられないと生存できなくなる危険さえありました。人から拒絶されるかどうかは、生死に直結していた重要なことだったのです。

ですから、私たちは会話をするときに、相手から拒否されないようにきちんと話をしようとします。それが緊張につながるのですが、その緊張を和らげるためには、まず相手の人の考えや気持ちに耳を傾ける必要があります。相手が何を考えているかは、聞いてみないとわかりません。

聴き上手は話し上手と言われるのはそのためで、相手の気持ちや考えに目を向けないまま自分の意見を言ってしまうと、話がかみ合わなくなってしまいます。それでは、お互いにわかり合える心地よい関係が築けません。人間関係での緊張感は、そうしたことにならないように気をつけようというメッセージなのです。緊張を感じたときには、無理に話をしようとしないことが大事です。

相手の話によく耳を傾けて、相手の考えや思いがわかってくると、自然に緊張が和らいできます。そうすれば、自分がどのような話をすれば良いかも見えてきます。

大野 裕(ゆたか)

ストレスマネジメントネットワーク(株)代表。精神医療の現場で注目されている「認知行動療法」の日本における第一人者で、日本認知療法・認知行動療法学会理事長。著書に『マンガでわかる!うつの人が見ている世界』(池田書店)など。

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